5G環境下で重機を遠隔操作 金沢工業大が操作の円滑性確認

金沢工業大学 「遠隔操作システムを搭載した重機(白山麓キャンパス実証実験フィールドにて)」

 

 金沢工業大学(石川県野々市市)はこのほど、民間企業と一緒に取り組む次世代通信規格の5Gを活用した重機の遠隔操縦に関する共同研究の一環として、同大白山麓キャンパス(石川県白山市)で重機を実際に遠隔地から操作する実証実験を行った。実験の結果、重機自体を目視できない現場から離れた距離でも、円滑に操縦できることを確認したという。

 実験は、5G環境を備えた白山麓キャンパスのコテージ前の実験フィールドで実施。カメラを含む情報端末を搭載した重機を、キャンパス内のイノベーションハブから遠隔操作した。比較のため5Gを使った通信のほか、Wi-Fiを使用した通信環境でも実験した。5GとWi-Fi いずれの通信環境下でも、重機の操縦に関して違いはなく、重機自体を目視できない遠距離でも支障なく操作できたという。

 今回の実験では、重機の前後の映像以外にも、重機を見下す映像など、重機の周囲をくまなく確認できる新映像システムを活用。重機自体を目視できない遠距離で操作する際の安全性を高めることにも成功した。

 5Gを活用した重機の遠隔操縦に関する共同研究には、建設機械のレンタル・販売・修理業を営むヨシカワ(金沢市)とNTTコミュニケーションズ(東京都千代田区)が参加している。金沢工業大は「今回の実験で、現場から遠く離れた遠隔地からの操作が実現可能なことがわかり、今後、人が立ち入れない危険な現場や災害現場などでの活用が期待できる」としている。

 

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