上月スポーツ賞を受賞したスポーツクライミング選手の森秋彩さん=東京都港区の上月財団

パリ五輪での活躍に期待 スポーツクライミングの森さんに上月スポーツ賞

 活躍したスポーツ選手を称える「2023年度上月スポーツ賞」(上月財団主催)を、スポーツクライミング選手の森秋彩さん(20)=筑波大3年=が受賞した。森さんは4月9日、東京都港区内の上月財団を訪れ、コナミグループ社長の東尾公彦・上月財団専務理事から、表彰状やトロフィーなどを贈られた。パリ五輪日本代表に内定している森さんは「自分がこれまでやってきたことが間違っていなかったと思える五輪にしたい」と今夏のパリ五輪に向け決意を新たにした。

 上月スポーツ賞は、上月財団が助成金を交付して支援している「将来有望なスポーツ選手・指導者」のうち、五輪や世界選手権などで優れた成績を収めた選手・指導者を毎年表彰する制度。上月財団はコナミグループ創業者で代表取締役会長の上月景正氏が設立。コナミグループの株式配当金で運営している。

 23年度の上月スポーツ賞は30人が受賞。森さんは、昨年9月7日に東京都内で開かれた同賞の表彰授与式に都合で出席できなかったため、この日上月財団を訪問した。

コナミグループ社長の東尾公彦・上月財団専務理事(左)から表彰状を贈られた森秋彩さん

 

 森さんは21~23年度に上月財団から助成金を交付されている。昨年スイスで開催されたスポーツクライミング世界選手権で女子リード金メダル、女子複合銅メダルを獲得するなど優秀な成績を収めた。パリ五輪でも活躍が期待されている。

 上月財団の東尾専務理事からスポーツクライミングに興味を持ったきっかけを聞かれた森さんは、「小さいころからジャングルジムで遊んだり、高い所に登ったりすることが好きだった。スポーツクライミングは楽しかったので父親と一緒に始めた」などと語った。

 上月財団の助成については、「欧米と比べてスポーツと社会の関係が希薄といわれる日本だが、(助成は)社会から頑張れと応援されていると感じることができるので個人的にもうれしい。またスポーツ自体が社会から評価されていると実感できる」と話した。

 森さんに同行した日本山岳・スポーツクライミング協会専務理事の小野寺斉さんは、「(上月財団の助成は)競技に打ち込む若い選手の励みになっている」と感謝していた。

森秋彩さんが上月財団に贈った色紙。同財団の支援に対する感謝の言葉のほか、競技と学業の両立への誓いもつづった

 

 競技と学業の二足のわらじを履く森さんは筑波大では体を効率的に動かすメカニズムなどを学んでいる。森さんは「スポーツと社会の関係の在り方などを考える機会になっている。スポーツ選手である前に、一人の人間として必要なさまざまな幅広い視野を得ることもできる」と勉学の楽しさも語った。

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