子牛の見守りセンサー普及拡大へ JA全農ら、死亡事故減少目指す

「アットモーメント」を装着した子牛

 

 JA全農(東京都千代田区)と全農畜産サービス(東京都江東区)は、子牛の首輪に電池不要の軽量小型センサーを装着させ、活動量などから子牛の健康状態を把握する見守りシステム「アットモーメント」の普及を本格化させる、と発表した。

 アットモーメントを開発したのは「ライブストック・アグリテクノ」(さいたま市)。3者は共に全国の黒毛和牛農家や繁殖・肥育一貫経営の農場などへの利用拡大を目指す、という。

 JA全農によると、2013~17年の統計から、生後6カ月未満の子牛の死亡率は推定5~6%。黒毛和牛の繁殖農家や繁殖・肥育一貫経営の農場にとって、子牛の事故は農場経営に直結する大きな課題。子牛の体調は短時間で急変することもあり、事故を防ぐためには、常に見回りなどして子牛の健康を把握する必要があるが、農場では作業が多く十分な見回りをするのは難しい現状で、特に夜間などの見回りの充実が課題だったという。

 アットモーメントは、子牛の首輪に軽量の名札のような小型センサーを装着し、24時間活動量を測定して健康状態を把握する行動管理システム。平常時の活動量を基準にし活動量が低下すると体調の悪化の可能性をメールかLINEに通知する。センサーは子牛の動く振動で発電するため電池不要。防水性、耐衝撃性が高く故障も少ない。日々の子牛の活動量はグラフの形でスマートフォンやパソコンの画面で確認できる。

 アットモーメントをすでに利用している繁殖農家では、子牛1200頭にセンサーを装着し、事故率7%から0.4%に低下したなど、事故率・重症化の改善効果が出ている。

 アットモーメントを使用するには、センサータグ、センサー受信機、タグ装置用の首輪の3点セットが必要。税抜き価格はセンサータグ1個当たり、初期費用1万2500円、月額利用料450円。受信機は1台当たり、初期費用29万8000円、月額利用料6500円(2台目以降は3800円)。センサー装着用首輪1本当たり3500円。詳しくはアットモーメントのホームページ。

 

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