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「テックタッチ」が案内します パソコン画面上で〝迷子〟にならないために

デジタルトランスフォーメーション(DX)の時代にあって、ネットで買い物をしたり、役所、会社内などのさまざまな手続きをしたりする場面がどんどん増えている。パソコン操作に慣れている人は別だろうが、多くの人はパソコンの画面上で、しばしば〝迷子〟になり、操作の手が止まってしまう経験があるだろう。

大手企業では、DXの実現を目指したシステムの導入が進む一方、多くの社員がオペレーションの急激な変化に対応できないケースがみられ、「せっかくDXを目的に導入したシステムが使いこなせず、結果としてDXが進んでいない」(システム関係者)という悩ましい現状もある。

そんな悩みを解決してくれるシステム活用支援ツール 「テックタッチ」が注目を集めている。「テックタッチ」は、どのようなWebシステムにでも、誰でも簡単に操作ガイドを追加できるサービスだ。サービス名と同じテックタッチ(東京都港区、井無田仲・代表取締役)が開発し、2019年から販売を始めた。

具体的には、Web上のあらゆるシステムに入力ガイドをノーコードで設置することができ、「次はここをクリックしてください」「ここに入力してください」などと正しくゴールまでナビゲーションをしてくれる。コーディングに専門性を持たない企業の担当者でも簡単に設置できる。設置費用についてはサブスク形式で、導入対象となるシステムや、従業員数によって金額はさまざまだ。

Web上のシステムに、コーディング不要で入力ガイドを設置できる「テックタッチ」は、今年3月時点で、導入社数が130社を超え、ユーザー数は200万人超。 デジタル社会の形成を目指し、2021年に発足したデジタル庁でも採用されている。

デジタル庁の調達ポータル上でテックタッチのナビゲーションが表示されている画面

 

デジタル庁では、同庁の「調達ポータル」で実装されており、複雑な用語の定義をあらかじめ説明する案内表示や、操作手順の案内などで、職員たちの画面操作性をアップさせているという。

「テックタッチ」の採用企業で、すでにその導入効果を実感している企業も多い。例えば、社内で利用中の人事システム向けに「テックタッチ」を導入した三菱商事では、「ガイドによって、操作時のストレスが5割以上軽減されたと感じているユーザーが、ユーザー全体のうち4割以上」という結果が出ているという。社内で利用中の経費精算システム向けに「テックタッチ」を導入した大日本印刷では、「従業員が迷うことなくシステムを活用できるようになり、DXの推進に寄与している」(情報システム本部長)と指摘し、システム活用の促進に寄与するサービスだといえそうだ。

テックタッチ社の事業成長に期待する投資家も多く、2023年1月にシリーズBの資金調達 (スタートアップにおける2回目の資金調達)を行い、2022年度には22億4000万円の資金調達を実現している。三菱UFJキャピタル、SMBCベンチャーキャピタル、みずほキャピタルといったメガバンク系企業をはじめ、電通ベンチャーズ、BRICKS FUND TOKYO(三菱地所)など多くの大手企業が出資している。

インタビューに答える中出CFO

「テックタッチ」のサービスについて、中出昌哉・最高財務責任者(CFO)は「Webシステムを誰もが使いこなせる状態にし、システム導入の効果の最大化を狙う市場の可能性は大きい」とした上で「DXを推進するプラットフォームになりたい」と意気込みを語る。

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