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第一三共ヘルスケアが人生100年時代の「健康とセルフケアの実態調査」発表 20~60代が“健康でいられると思う年齢”は平均67.7歳

「人生100年時代」といわれるようになったが、長生きするのであれば心も体も健康でいたいもの。

第一三共ヘルスケア(東京都中央区)はこのほど、「健康とセルフケアの実態調査2023」を発表した。同社は、自分自身で健康を守り対処する「セルフケア」という考えが、人生100年時代の日本に重要なテーマになることを見据えて、この調査を毎年行なっている。
調査は2月3~6日に、セルフケアの実態やwithコロナ生活でのセルフケア、人生100年時代の働き方とセルフケア、物価上昇とセルフケアについて、全国の20〜60代の労働者男女1000人にインターネットで行なった。

 ■働く人の健康とセルフケアの実態

セルフケア認知率
セルフケアの範囲

まず、「セルフケア」の認知率について質問したところ、全体の約8割(78.5%)が認知していると回答した。一方、「セルフケアの対象範囲」(複数回答)については、「こころ」と回答した人が最多(88.1%)となり、「からだ」と「こころ」の両方を回答した人は63.6%にとどまった。

セルフケア実践率
セルフケアができていない理由(複数回答)

「セルフケア実践率」は2021年(50.9%)から年々低下して2023年は46.9%となった。年代別では40代が38.8%で最も低く、実践できなかった理由は「仕事が忙しい」(52.6%)だった。しかし、セルフケアにかける全体の平均金額(1カ月当たり)は、前年比114%増の5096円(前年は4488円)だった。特に60代では7399円となり、最も高い結果となった。

セルフケアにかける金額

 ■withコロナ生活でのセルフケア

日常生活はwithコロナへシフト

現在の生活に関して聞くと、約4割(38.8%)が「コロナ禍以前に比べ、自分の体調変化に敏感になった」と回答(最多)し、続いて「旅行や外出などを再開している」(34.1%)、「外食にでかけるようになった」(31.3%)など対面での交流が徐々に回復していることが分かった。

セルフケアに対する考え方

「セルフケアに対する考え方」については、8割以上(83.2%)が「セルフケアは共感できる考え方だ」と賛同した。そして78.9%が「セルフケアは自分のためだけではなく、周囲や社会に良い影響を及ぼす」と回答。さらに77.3%が「今後、日本ではセルフケアの重要性が増すと思う」と答えている。

セルフケアと市販薬の関係に対する考え方

「セルフケアと市販薬の関係」に対する考え方では、「セルフケアのために市販薬は役立つと思う」と回答したのは7割以上(76.6%)で、さらに60.4%が「セルフケアのために市販薬についてもっと知識を増やしていきたい」と回答しており、どちらも前年から増加した。

 ■人生100年時代の働き方とセルフケア

望ましい働き方

人生100年時代を迎える中、「望ましい働き方」について質問すると、年齢に関係なく健康が続く限り「フルタイムで働きたい」と考える人は24.8%で、同じく「フルタイムではなく日数や時間を限定して働きたい」は39.8%となり、「健康であれば年齢に関係なく働きたい」と考える人の合計は全体で64.6%に上った。また「セルフケアができている」人では69.7%とより高い傾向になった。

望ましい働き方

次に「何歳まで働きたいか」と聞いたところ、全体では平均63.0歳までとなった。年代別では定年に直面する60代がさらに長く働きたいと考えていることが分かった。また「セルフケアができている人」では、平均63.9歳まで働きたいと考え、「セルフケアができていない人」(平均62.2歳)より高い結果となった。

働くことと健康やセルフケアに関する意識

「働くことと健康やセルフケアに関する意識」については、「就労において健康がますます重要になると思う」と回答した人は9割(90.6%)に上り、86.4%が「高齢でも元気に働けるようセルフケアがますます重要になると思う」と回答した。

健康でいられると思う年齢(予想健康寿命)

「健康でいられると思う年齢(予想健康寿命)」ついては、厚生労働省が調査した2019年の健康寿命(男性72.68歳、女性が75.38歳)と比べると、男性は約4.1歳短い「68.6歳」で、女性は約8.9歳短い「66.5歳」だった。年代別では50代、60代の予想健康寿命は70歳を超えているが、若い年代ほど短く見積もっている傾向が明らかになった。

また、セルフケア実践の有無で予想健康寿命を見ると、「セルフケアができている人」は「69.7歳」で、「セルフケアができていない人」の「66.0歳」より3.7歳長いことが分かった。

 ■物価上昇とセルフケア

物価の上昇を感じる

次に物価上昇が続く中、食費や教育費など生活費の各ジャンルにおける「支出増減予定」について、「支出を抑えたい」「現状維持」「支出を増やしたい」の3択で回答を得た。その結果、「支出を抑えたい」の項目では、住宅費、光熱費、日用品などの「住まい・公共料金」が61.6%と最多で、以下「外食費」(52.2%)、「衣類」(50.5%)、「通信費」(50.4%)と続いた。

物価の上昇を感じるもの(複数回答)

一方、物価上昇が続く中でも「現状維持」すると回答した項目は、健康維持・増進のための「セルフケア」で63.3%だった。続いて「理・美容」(59.1%)、「教育・学習」(57.4%)、「医療費」(55.0%)が上位となった。

ジャンル別の支出増減予定

この調査結果について、第一三共ヘルスケア産業医の鄭理香(チョン・リヒャン)氏が次のように解説している。
「セルフケアの実践率は少しずつ低下しているが、新型コロナ感染拡大3年が経ち、意識して行っていたセルフケアが浸透し、定着していると考えられる」

第一三共ヘルスケア産業医  鄭 理香(チョン・リヒャン)先生

「コロナ禍で社会全体の健康について考えるようになり、以前に比べ自分の健康管理を意識するようになった人もいる。意識が高まった人なら市販薬も有効に使いたい。近年は市販薬の進化も著しく、処方薬と同等の薬効を持っていたり、複数の薬効が組み合わさったりするものもある」

またセルフケアが社会全体の健康につながることに関して、「良くも悪くも、自分だけではなく全体に影響することを理解していただきたい」と説明。職場で誰かが体調を崩したとき、メンバーが協力的にサポートできる環境をつくることが重要だが、そのためにも一人一人が「こころもからだも」調子を整えていくことが大切だという。

また5月には新型コロナの感染症法上の位置づけが5類に移行することから、「健康管理に対する主体性がさらに求められるようになる」という。鄭氏は5月以降を見据え、コロナ禍での経験を生かすためにも、「こころとからだ両方のセルフケアを意識し、習慣化するきっかけとしてみては」とアドバイスしている。


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