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フジバンビのJR九州グループ入りの成約を祝った(右から)日本M&Aセンターホールディングス社長・三宅卓氏、肥後銀行頭取・笠原慶久氏、フジバンビ社長・田中三正氏、JR九州取締役・松下琢磨氏、フジバンビ副社長・松本順次氏=熊本市のANAクラウンプラザホテル熊本

熊本の老舗フジバンビの発展誓う JR九州グループ入りで関係者

 

 熊本市の老舗菓子製造会社フジバンビの全株式を九州旅客鉄道(福岡市、JR九州)が取得したM&A(企業の買収・合併)を祝う「成約式」が6月30日、熊本市内のホテルで開かれ、JR九州取締役・松下琢磨氏やフジバンビ社長・田中三正氏、肥後銀行頭取・笠原慶久氏、日本M&Aセンターホールディングス社長・三宅卓氏ら関係者21人が参加し、フジバンビのさらなる発展を誓った。
フジバンビは、“熊本の銘菓”「黒糖ドーナツ棒」を主力商品とする創業 75 年の会社。JR九州は、日本M&Aセンターホールディングス(東京都千代田区)、日本政策投資銀行(東京都千代田区)の両者が共同設立した日本投資ファンド(東京都千代田区)と、肥後銀行(熊本市)子会社の肥銀キャピタル(熊本市)などが運営するファンドが、それぞれ保有するフジバンビの株式を買収した。
日本投資ファンドと肥銀キャピタルは2018 年、フジバンビ創業家から経営を引き継ぎ、新たな販路先の開拓など事業拡大に取り組んできた、という。
当事者3人が資本提携に関する正式な成約文書に署名した成約式では、フジバンビの田中社長が「社長就任後に新型コロナウイルス感染症が拡大して減収減益になり、このままでは社長の責任を果たせないと眠れない日々が続いた」とコロナ禍を振り返った上で、新商品を毎月開発したり、東京・神戸・広島に営業所を開設したりするなど「戦略を大展開して過去最高の実績を実現できた」と“コロナ危機”脱出の取り組みを説明した。今回のJR九州グループ入りについては「いつかはどこかの会社と一緒になる運命であることは社長就任当初から分かっていた。フジバンビの未来や従業員の満足度が向上できる会社と一緒になることを願っていたが、今回相手がJR九州に決まり従業員一同喜んでいる」と述べた。
JR九州の松下取締役は「フジバンビは、素晴らしい歴史と伝統を持つ会社。JR九州の仲間になってくれたことを頼もしく、うれしく思う」と話した。また今後のフジバンビ事業の拡大規模については「具体的な数字目標の策定はこれからだが、しっかり売り上げを伸ばしていきたい」と抱負を述べた。
肥後銀行の笠原頭取は「後継者のいないフジバンビ創業者から事業承継の相談を受けたことをきっかけに肥後銀行は2018年から子会社を通じてフジバンビの経営を引き継いだ。招へいした田中フジバンビ社長は創業者の思いを継承し、フジバンビのさらなる事業発展にご尽力いただいた。フジバンビはJR九州と共に、熊本、九州を代表する企業として地域経済をけん引していただき、日本全国、世界に羽ばたくことを願っている」と語った。
成約式の最後に乾杯の音頭を取った日本M&Aセンターホールディングスの三宅社長は「フジバンビは田中さんが社長になって大躍進した。大型スーパーで販売するなどして、熊本で有名だった黒糖ドーナツ棒を全国で販売展開して“全国ブランド”のお菓子に育て上げた。フジバンビがJR九州傘下となり、今後ますます発展していくことは素晴らしい」と今後のフジバンビの成長に期待した。


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