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東北エリア限定で発売するビール「ジューシーブリュー」(左2本)と、東海・北陸エリア限定発売の「ビアミー」

サントリー、“地域ファースト”から全国展開へ 東北と東海・北陸限定の新ビールで需要開拓

 地域限定から全国展開へ――。サントリーは、東北エリア限定と東海・北陸エリア限定の新開発ビールを8月19日に発売すると発表した。仙台市と名古屋市で7月30日、それぞれ新商品発表会を開催。地域ニーズに応えたビールを開発した狙いを明らかにした。

 ▽東北は「甘みとフルーティー」

 東北エリア(東北6県)で発売するのは、フルーティーな味わいが特徴だというビール「ジューシーブリュー」。サントリーによると、東北の消費者は、ビールにフルーティーな味わいを求める割合が、全国平均(43%)に比べ51%と高く「フルーティーで甘みのある味わい」の新たなビールを開発したという。発表会に登壇した本山峰之ビール・RTD本部プレミアムビール部長は「ビールにジューシー革命だ」とアピールした。

20~40代をターゲットに新需要を開拓する=仙台市青葉区の発表会
 
「唐揚げなどジューシーな食べ物と合うのでは」と話す本山峰之プレミアムビール部長
 

 ▽東海・北陸は「共働き世帯」を意識

 東海・北陸エリア(東海・北陸7県)で発売するのは、アルコール度数を3%に抑えたビール「ビアミー」。東海・北陸エリアは共働き世帯率が54%と首都圏(50%)、近畿(48%)より高く、家に帰ってからも家事などがあることから「度数の低いお酒を選んだり、飲む量を減らしたりする傾向がある」という。梅原武士ビール・RTD本部副本部長兼ビール部長は「一日の終わりに飲むビールではなく、『一息つくビール』を目指した」と話した。開発担当者は、高濃度醸造技術を使い「3%でありながら、しっかり味わえ、爽快に飲めるビールだ」と強調した。

梅原武士ビール部長。「地域限定は、選択肢を増やしたテスト販売の意味もある」
 

 ▽酒税改正に向けビール市場活性化

 「ジューシーブリュー」「ビアミー」ともに数量限定で発売。350ミリリットル缶(想定価格は税別195円)と500ミリリットル缶(同258円)で、消費者の反応を見て2026年には全国展開をしたい考えだ。

 26年の酒税改正で、ビール、発泡酒、第三のビールの税率が一本化されることからビールには追い風だとみられている。サントリーは「エコノミーカテゴリーにも需要がある」として、ビールとエコノミー両輪の戦略を崩さないとしているが、「近年、消費者のニーズが細分化している」(梅原ビール部長)との認識を示し、“地域ファースト”で限定発売し、需要動向を探る方針だ。

「私のためのビール」という思いを込めたネーミングの「ビアミー」。中央が津田麻子・常務執行役員東海・北陸営業本部長=名古屋市中村区
 

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