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離島の高校生らが「島革命」を起こす! 全国の島々からオンラインで参加 「アイランダー高校生サミット」を開催

全国の離島からオンラインで参加した

 大正大学(神達知純学長)と公益財団法人日本離島センター(荒木耕治理事長)は、全国の離島の高校生たちがオンラインで集う「アイランダー高校生サミット2024(以下、サミット)」を1月26日に開催した。2022年度の施行を経て、今回で2回目の開催となったサミットには、8都道県の18校、計56人が参加。高校生たちは七つのチームに分かれ、「教育」「伝統・文化」「環境問題」などそれぞれ関心のあるテーマについて、熱い議論が交わされた。 

 大正大学の山内洋副学長は、サミットの開催にあたって「学び合うことを通じて、自らと島の将来の可能性を再発見していただきたい。そして、日本中の高校生たちがつながりあう意義や価値をお互いに確かめ合いながら、最高に楽しくて最高に有意義な1日を過ごしてほしい」とあいさつした。

 今回のサミットのメインテーマは「合縁島縁(あいえんとうえん)~つなげよう、つながろう、私たちの離島~」。全国8都道県の18校から集まった離島高校生56人に、メンター役の大正大学地域創生学部の学生を加えた参加者たちは、離島の魅力や離島ならではの悩みなどを共有しながら、島おこしにつながるアイデアやプロジェクトについて、オンラインで活発に話し合った。

 議論のキーワードは「革命」だ。参加者は「島の教育革命」「島の伝統・文化革命」などのテーマごとに七つのグループに分かれて、離島の現状を分析。それらを踏まえ、現状をよりよいものに変えていくための具体的な方法を、「島の〇〇革命」としてサミット後半で提案した。

テーマとなった七つの「革命」

▼「離島料理のフルコースはいかが」
 広報に興味を持つ参加者が集まった「島の広報革命」グループは、どの離島にも存在する郷土料理が離島に住む人々の「誇り」の一つであるという共通認識から、全国の離島の郷土料理を集める「離島料理フルコース」を提案。これを通販することで、離島の魅力を発信していこうと提案した。
 全国の離島の魅力が詰まった豪華なフルコース料理に、ほかの参加者からは「どの料理もおいしそう!」や「手軽に味わえて、しかも値段が安い(笑)」などの声があがった。

離島料理フルコースの例

 「島の環境問題革命」グループは、島に漂着したごみをきれいにしたいが、清掃活動の頻度が十分ではないことに着目。誰もが楽しみながらできる清掃イベント「清掃運動会」を提案した。お題に沿ったごみを収集してくる「ごみ借り物競争」や、巨大な漁網ごみをちぎりコンパクトにする速度を競う「綱引き」など、気軽に遊びの要素を取り入れながら清掃活動をするための具体的な提案が相次いだ。

清掃運動会のプログラム

 サミットのプログラム作成や全般的な企画・運営は、離島の高校生9人と、大正大学地域創生学部の学生4人による計13人の実行委員が担当した。実行委員長を務めた田中晴樹さん(大正大学4年)は、「アイランダー高校生サミットに携わって3年目。今回は、実行委員長という立場で1年近く実行委員のみんなと一緒にプログラムをつくってきました。実行委員も参加者もサミットを笑顔で終わることができ、とてもうれしいです」と、サミットの成功の手応えと達成感を語った。

実行委員長として全体を取りまとめた田中さん

▼「誇りに思う」

 実行委員の1人の花田光さん(広島県立広島叡智学園高校3年)は「島の伝統・文化革命」グループに参加。「これまで島の伝統を発信する場があまりなかったので、『伝統・文化革命』を提案しました。じつは私は、みんなを引っ張っていくことや、自分の意見を言うことが苦手でした。自分のことを受け入れてくれる仲間が集まったので、今回はたくさん、みんなと話すことができ、大きな成長につながりました。今回のサミットの成功を誇りに思います」と笑顔で話した。

サミットの感想を実行委員各位と共有

最後に日本離島センターの小島愛之助専務理事は「どのチームも短時間で立派なアウトプットをつくったことに驚きました。発表自体も素晴らしかったですが、その過程こそ本当に重要なのだと思います。仲間たちと一緒に、充実した『島の〇〇革命』をつくりあげたことも記憶にとどめてほしい」とした上で、「アイランダー高校生サミットは来年も再来年も、10年先も開催をしていきたいと思います。ぜひ友だちや後輩たちにつなげてください!」と参加者たちに呼びかけ、「サミット」を締めくくった。

 

▼「サミット」参加の高校一覧

北海道奥尻高校(北海道奥尻町)

東京都立新島高校(東京都新島村)

東京都立小笠原高校(東京都小笠原村)

広島県立大崎海星高校(広島県大崎上島町)

広島県立広島叡智学園高校(広島県大崎上島町)

島根県立隠岐島前高校(島根県海士町)

愛媛県立弓削高校(愛媛県上島町)

長崎県立奈留高校(長崎県五島市)

長崎県立五島高校(長崎県五島市)

長崎県立五島海陽高校(長崎県五島市)

鹿児島県立古仁屋高校(鹿児島県瀬戸内町)

鹿児島県立徳之島高校(鹿児島県徳之島町)

鹿児島県立与論高校(鹿児島県与論町)

鹿児島城西高校(鹿児島県日置市)

屋久島おおぞら高校(鹿児島県屋久島町)

沖縄県立宮古高校(沖縄県宮古島市)

沖縄県立八重山高校(沖縄県石垣市)

沖縄県立泊高校(沖縄県那覇市)

 


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