年末年始は飲み会やパーティーが増える季節ですね。楽しい時間を過ごす一方で、歯やお口の健康がおろそかになる時期でもあります。
今回は、飲み会での飲み物やおつまみの選び方と、その後のケア次第で、虫歯や歯周病のリスクを減らす、簡単にできる良食実践のコツをお伝えします。
①酸性の飲み物に要注意!
歯のエナメル質を守りましょう。お酒の中には酸性度の高いものが多く、エナメル質を溶かす「酸蝕(さんしょく)」の原因になることがあります。特に注意が必要なのは、ワインや柑橘(かんきつ)系チューハイ、甘いジュースなどです。これらを楽しむ際には、以下の工夫をしてみましょう。
・水を一緒に飲む=酸を洗い流す効果があり、口腔(こうくう)内のpHを中性に戻す助けになります。
・甘いジュースは、ストローを使う=飲み物が歯に直接触れるのを避けられます。
②おつまみ選びの視点は「歯を守る」
飲み会定番のおつまみのスナック菓子や柔らかいスイーツ類は、虫歯の原因になります。そこでおすすめなのが、
・野菜スティックやチーズ=唾液の分泌を促し、酸性を中和してくれる効果が期待できる。
・ナッツ類=歯に優しいだけでなく、咀嚼(そしゃく)を促し顎(あご)の健康にも◎。
③梅干しや酸っぱいものは控えめに
健康に良いイメージですが、歯には酸のリスクがあるので注意が必要。
④「嚙(か)む」を意識して口腔環境を整える
飲み会では、飲むことがメインになり、食べ物をあまり噛まずに飲み込んでしまうことがよくあります。これでは唾液の分泌が減り、口腔内が酸性に傾きやすくなります。
対策として、嚙み応えのあるおつまみを選ぶ(例=生野菜やカリカリのせんべい)。食べる速度を少しゆっくりにして、一口を少量にし、よく嚙むことを意識する。
よく嚙むことで唾液が出て、口の中が清潔に保たれるだけでなく消化も助けます。
⑤飲み会後のケアがカギ!
飲み会の後、疲れて歯磨きを怠りがちではないでしょうか? これが大きなリスクです。甘いお酒やおつまみの糖分が口の中に残ると寝ている間に虫歯菌が大増殖してしまいます。特に糖や酸が多いものを摂取した日は酔っていても丁寧に歯を磨きましょう!
「飲んだ後は水を1杯」「嚙むおつまみを選ぶ」など、ほんの少し良食を意識するだけで、その後の生活の質を守ることができます。小さな習慣を取り入れて、年末年始の口福時間を楽しみましょう。
【KyodoWeekly(株式会社共同通信社発行)No. 52からの転載】