漁業用飼料の世界企業、スクレッティングの日本法人(福岡市)は、同社の伊万里工場(佐賀県)が、国内初の「ASC認証」飼料工場として認められたことを発表した。
この認証は、国際的な非営利団体「水産養殖管理協議会(ASC)」によるもので、 環境や地域社会や人々に配慮した、責任ある養殖により生産された水産物を対象に行っている制度。
同社によると、日本の水産物は約24%が養殖だが、養殖で使用される飼料にはマイワシなど天然由来の魚粉が含まれており、漁業資源に依存している。 また、日本の食卓や養殖を支える年間200万㌧以上の輸入水産物のうち、最大で36%がIUU(違法・無報告・無規制)漁業由来である可能性が指摘されており、資源管理や人権配慮を欠いた調達リスクが存在するという。
スクレッティングは世界17カ国で約200万トン、60種類以上の魚やエビの養殖飼料を製造販売している。日本法人は、佐賀県伊万里市の工場でブリやマダイ、カンパチ、サーモンの飼料を手がけている。魚粉のもととなる小魚は、漁獲領域や製造工場などの情報を確認するとともに、魚粉の使用量を低減したり、魚粉に依存しない代替原料を使用した飼料を開発したり、といった取り組みを続けている。
ASC認証は、国連の持続可能な開発目標(SDGs)の達成にも貢献するため、世界各国で認証の取得が進み、持続可能な水産業への関心が高まっている。