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日本将棋連盟の「研修会」で将棋を指す研修生たち

将棋文化の裾野拡大を応援 上月財団が将棋連盟の「研修会」事業に助成

 上月財団(理事長・上月景正コナミグループ代表取締役会長、東京都港区)は3月23日、将棋文化の裾野拡大を願い、日本将棋連盟(東京都渋谷区)の「研修会」事業を応援するため100万円を同連盟に助成した。また将棋会館(東京都渋谷区)特別対局室の床の間を飾る美術品(500万円相当)を寄贈する意向も連盟に伝えた。

 研修会は、20歳以下の男女(有段者)や女流棋士を目指す25歳以下の女性が参加し、対局する。連盟が将棋会館など全国6カ所で毎月原則第2、第4日曜日に開いており、プロ棋士による指導対局もある。併せて棋士として必要な礼儀作法も学ぶ。研修生は現在およそ400人。プロ棋士を目指す研修生が多く、仲間と切磋琢磨(せっさたくま)して将棋の実力を磨いているという。

上月財団の村田哲也理事(右)から助成金の目録を受け取る日本将棋連盟の羽生善治会長
 

 この日は、コナミグループ(東京都中央区)の松浦芳弘取締役と上月財団の村田哲也理事(事務局長)が将棋会館を訪れ、日本将棋連盟の羽生善治会長と森下卓常務理事と面会。この日開催の研修会に参加した多くの研修生らの前で、村田理事が羽生会長に助成金100万円の目録を手渡した。

 上月財団の村田理事は「コナミグループの創業者が設立した上月財団はこれまでスポーツ、教育、文化の諸活動を応援しており、今回は将棋文化の裾野の拡大、将棋界の発展を願って研修会事業に助成させていただきました。皆さま研修生の今後の活躍を楽しみにしています」とあいさつした。

羽生善治会長(左端)の話を聞く研修生。同会長の横は(左から)村田哲也理事、松浦芳弘取締役
 

 日本将棋連盟の羽生会長は「日本文化の一つである将棋を応援していただき、ありがとうございます。今回の助成も励みに、研修生の皆さんは、仲間と交流を深めつつ、それぞれの目標に向けて前に進んでください」と研修生にエールを送った。

 羽生会長と森下常務理事の案内で、松浦取締役と村田理事は研修会での対局の様子も見学。羽生会長(九段・永世称号有資格者)と森下常務理事(九段)という憧れの棋士の前での対局に研修生らは緊張した表情を見せながらも、真剣なまなざしで盤に集中していた。

羽生善治会長(奥右)の案内で対局を見学する(奥左から)松浦芳弘取締役、村田哲也理事
 

 取材に応じた羽生会長は「少子化や娯楽の多様化などの課題もあるが、将棋を多くの子どもたちに普及させていきたい。近年はオンラインを活用した将棋の普及活動にも力を入れている。海外でもウクライナなどで将棋の人気は高く、昨年開催した国際将棋トーナメント(45カ国・地域が参加)などを通じて、日本の伝統文化である将棋の海外普及にも努めていきたい」と抱負を述べた。


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