「しんかい6500」(左)で生分解性プラスチックを深海底に設置する様子(右)
生分解性プラスチックは水深5000メートルを超す深海でも微生物によって分解されるとする研究結果を、東京大、海洋研究開発機構などのチームが、英科学誌ネイチャーコミュニケーションズに発表した。深海で新たな分解微生物も発見。プラごみは毎年800万トンも海洋に流出しており、分解されない汎用プラスチックを生分解性プラへ置き換えることが不可欠とされる。チームは「生分解性プラは世界中のいずれの海域でも分解されると考えられ、海洋汚染問題の解決に貢献すると期待される」としている。
東大大学院農学生命科学研究科の岩田忠久教授らは、普通の汎用プラと生分解性プラを、潜水調査船「しんかい6500」などを使って、神奈川県の三崎沖(水深757メートル)や日本最東端の南鳥島沖(同5552メートル)など日本近海の5カ所の深海底に設置。3~14カ月後に引き上げて、重さや形の変化、表面に付着した微生物の解析を行った。
汎用プラは全く分解されていなかったが、生分解性プラの表面には多数の微生物が付着し、時間がたつとともに荒い凹凸ができて分解が進行する様子が観察された。水深が深くなるほど分解速度は遅くなり、水深1000メートルでは同5メートルに比べ5分の1から10分の1、同5000メートルでは約20分の1だった。分解速度の低下は、水圧や水温の変化に加え、微生物の量や多様性が減るのが原因と考えられるという。また、深海から新たな分解微生物を6種類発見。これらは、世界中のさまざま海底堆積物にも生息していることが明らかになった。
生分解性プラは微生物が分泌する酵素によって、最終的に二酸化炭素と水に分解される。汎用プラの代わりに使えば、海洋プラ汚染の抑制になると注目されている。研究には東京大、海洋研究開発機構、群馬大学、製品評価技術基盤機構(NITE)、産業技術総合研究所、日本バイオプラスチック協会が参加した。
関連記事
医療機器メーカーのホーマーイオン研究所(東京都渋谷区)は、…
2023年5月26日=1,510*がんの転移を知った2019…
関東の梅雨明けが発表され、いよいよ夏本番ですね。連日、最高…
3月16日に予定される北陸新幹線の敦賀延伸を控え、福井県と…
すでに始まっている感もあるが、いよいよ12日に自民党総裁選…
東京から飛行機で約3時間のところに、体中の細胞が活性化する…
スタートアップ
大阪府岸和田市は、キッチンカーによる公共空間活用事業を全国…
日本総合研究所はこのほど、東京都内で革新的な技術研究をして…
共同通信グループの株式会社共同通信社(KK共同・東京)は、…
東京都が運営する、業種・業界・地域を超えて挑戦するスタート…
人口減少や少子高齢化、都市部への人口集中など、さまざまな課…
季節がうつろう様子を楽しむ、“庭”のような存在のカフェが誕…
スポーツ
小型産業用ロボットの開発・設計・製造・販売を行っているアイ…
トップアスリートや次代を担うホープを支援する上月財団(上月…
シーズン終盤の猛追撃を期し真夏の戦いを続けるプロ野球、横浜…
日本伝統の城を背景に、アーバン・ストリート系スポーツの自転…
未来世代がはばたくために何ができるかを考えるプロジェクト「…
千葉県船橋市に、三井不動産(東京都中央区)が手掛けた、バス…
ビジネス
日本発のオペレーティングシステム(OS)「TRON(トロ…
全国「主要戸建メーカー、ハウスビルダー115社」動向調査全国…
レスポン(東京都千代田区)は、結婚式や2次会で早押しクイ…
大分県豊後高田市は、市の魅力をPRするため「ふるさとキャ…
(株)佐藤興産(旧:(株)三明、中野区、登記上:君津市)は1…
ローソン(東京都品川区)は、茨城県とJR東日本が10~1…
地域
補聴器や周辺機器の製品開発や聴覚ケアの普及に取り組む「オー…
小型産業用ロボットの開発・設計・製造・販売を行っているアイ…
子どもから大人まですべての人が「教育は楽しい!かっこいい!…
ジェンダー・ギャップ(男女格差)の解消に向けた対策が進まぬ…
「日本三美人の湯」をご存じでしょうか。つるつる、すべすべ…
CCCMKホールディングス(東京)が取り組む共創型プラット…
政治・国際
食品用包装材やキッチン用品を生産販売するドイツのクイックパッ…
インドネシア中央銀行は20日、前日から2日間にわたって開いた…
マレーシア統計局は20日、2024年第3四半期(7~9月)の…
シンガポールのコワーキングスペース(共用オフィス)運営大手ジ…
「タイ+1」の進出先として注目を集めるカンボジアで、進出を検…
東洋エンジニアリングは19日、インドネシアの国営肥料製造ププ…