公益財団法人日本グローバル・インフラストラクチャー研究財団(日本GIF、東京都港区)はこのほど、「海底通信ケーブルの安全保障~海洋ストラテジック・コミュニケーションによる国際協調」をテーマにしたオンラインセミナーを開いた。
海底通信ケーブルの重要性や脆弱(ぜいじゃく)性を国内外で啓発している元自衛官の矢野哲也・大阪経済法科大教授が、世界で約120万キロが敷設されている海底通信ケーブルの地政学的なリスクや防護の実態、法的問題、国際協調の可能性などについて講演した。
矢野教授は「今は瞬時に世界中の情報を手に入れることができる情報社会だが、これは海底通信ケーブルによって支えられている。海底通信ケーブル防護の重要性を社会に広める必要がある」などと話した。
講演後の質疑応答では、海底エリアのケーブル防護に必要な方策や実際にケーブルの切断が発生した場合に関わる国際的組織、海上自衛隊や海上保安庁のケーブル防護への参加、社会の理解を得るためにできる働きかけなどについて議論が交わされた。