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モノタロウの購買システム「大企業連携」イメージ

大企業も個人のように簡単に商品購入 通販サイト運営「MonotaRO」の事業戦略

 

ネット通販で買い物をした人は多いだろう。どのサイトでも自宅でパソコンやスマートフォンの画面からクリックするだけで商品が届く。ところが、同じ商品を買うにしても企業だと簡単ではないようだ。

事業者向けを中心に間接資材を販売するサイト「モノタロウ」を運営する「MonotaRO」(兵庫県尼崎市)は4月6日、「企業の資材調達をサポートし、時間や資源を節約できる」とする「購買管理システム事業(大企業連携)」についてのプレスセミナーを開催した。

同社東京オフィスで開いたセミナーには、久保征人・執行役副社長と屋敷真一エンタープライズビジネス部門長が登壇。大企業に向けたモノタロウの事業戦略を説明した。

 購入頻度は少なくても必要な商品

約1900万点のさまざまな商品をサイトで購入できる

モノタロウが扱う「間接資材」は多岐にわたる。製造業を中心に使用される作業服や、ヘルメット、軍手、ネジ、工具のほか事務用品、園芸用品など幅広く「製品原材料以外の全て」で商品点数は約1900万点。

屋敷氏は、企業が購入する間接資材について調べたところ「1年で1回しか購入しない商品が70%」「購入個数が5個以下の商品が80%」「単価が1万円以下の商品が85%」という特徴があるとした上で「買う頻度は少ないのに探すのも買うのも手間」という課題があると指摘した。

 「掛け時計」一つに60分

「個人が注文するように企業でも簡単に発注できる」と特徴を説明する屋敷真一エンタープライズビジネス部門長

 屋敷氏は企業が「掛け時計」を購入するケースで説明した。一般消費者は楽天やアマゾンといったネット通販で掛け時計を探し、気に入った商品をクリック一つで簡単に購入できる。ところが企業だと複数の調達先で掛け時計を扱っているかどうかを探し、見積もりを取り、注文書を発行し、納期を確認するといったプロセスがあるため「購入するまで60分は必要だ」と試算一方「モノタロウ」の購買システムを導入することで「検索・発注など11分で済む計算になるして「約50分の人件費削減につなげられる」と説明した。 

 2500社以上が導入

「企業ではどの部門でどれくらい発注しているかわからないのが課題」と話す久保征人副社長

一つ一つの商品価格は安くても、大企業だと拠点が多く全国的に購入数が拡大するという利点がある。久保副社長は「2000年の創業当時から大企業向けを目指したが、商品点数が少なかったので浸透しなかった。品数を増やすことで2013年ごろから本格参入できるようになった」と話した。

次第にモノタロウの購買システムを導入する企業が増え、2022年時点で2500社以上の企業が顧客になったとしている。システム導入の利点として、履歴を活用し、拠点・部門別の購入実績、商品の傾向などを把握できるほか、近年、企業にとって注目される持続可能な開発目標(SDGs)に絡んだ「グリーン購入法適合品」を集計し、外部に公表することもできる。

 法人部門をさらに強化

「MonotaRO」の連結売上高は2022年で約2260億円となり、13年連続で過去最高を更新したという。個人消費者も一般サイト「モノタロウ」で日用品を購入できるが、製造業などが使う資材・商品が多いこともあり、売り上げの約8割は法人向けだ。久保副社長は「企業では経営層、調達担当者、現場の利用者と各所で購買についての課題を持っている。購買管理システムを導入すれば、それぞれの部署で改善を図ることができる」と強調。大企業向けを強化する方針を示した。

各部署と1カ所で連携できる購買システムのイメージ

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