データ関連サービスのウイングアーク1st(東京都港区)と、ソリューション事業を手がけるスマートバリュー(大阪市)は、自治体向けの公共施設予約システムを共同で開発し、4月から提供開始する、と発表した。
開発したシステムは、体育館で運用した場合、先着予約のほか、抽選予約での対応や、競技ごとに必要な広さが変動したり、安全に配慮して隣接して実施できない競技を設定したりするといった、複雑な運用条件の設定ができるのが特徴だとしている。
両社は22年11月に北九州市で体育館を対象にした公共施設予約システムを試験導入し、実証実験から得たノウハウで利用者、自治体・施設管理者双方にメリットがあるシステムを開発した。
スマートバリューによると、利用者登録や料金支払いは窓口に行く必要がある自治体もあり、行政のデジタル化が進んでいない実情があるという。市民など利用者にとっては、利用者登録、空き状況の検索、施設予約がオンラインでできるほか、利用料金のオンライン決済もクレジットカードだけでなく、バーコード決済での対応も予定している。
自治体・施設管理者側には、予約の管理、抽選処理、利用統計の分析といったさまざまなデジタル対応が可能になる利点がある。スマートバリューは「行政DX(デジタルトランスフォーメーション)を加速させるとともに、運動機会増加による市民の健康増進など地域社会への貢献もできる」としている。