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JAアクセラレータープログラム第5期に採択されたスタートアップ企業

スタートアップ企業10社が成果を発表 JAアクセラレータープログラム

 JAアクセラレータープログラムの第5期に採択されたスタートアップ企業10社が、約半年間にわたる活動の成果を発表するイベントが11月14日、都内で開催された。

 JAアクセラレータープログラムは、「食と農、くらしのサステナブルな未来を共創する」をキーワードに、地方創生やSDGsに関わる社会課題を「食・農・金融・くらし」を中心とする事業を通じて解決に取り組む起業家をサポートするもの。JAグループの全国8連(JA全中、JA全農、JA共済連、農林中央金庫、日本農業新聞、JA全厚連、農協観光、家の光協会)が2019年5月に開設したイノベーションラボ「(一社)AgVenture Lab」が中心となり、起業家の育成やコンサルティングを実施。「AgTech、FoodTech、FinTech、LifeTech、地方創生」を対象領域としている。

 今回、成果を発表したスタートアップ企業は、189件の応募から面談やビジネスプランのピッチコンテストなどを経て、選ばれた10社。2023年5月から11月までAgVenture LabのスタッフやJAグループがその活動に伴走し、商品やサービスの企画開発から原材料の調達、マーケティング、販路の開拓などにチームで取り組んできた。

RelieFoodの加納CEO(中央左)と伴走したJAグループのスタッフ

 

 (株)RelieFoodの加納颯人・代表取締役CEOは現役の高校3年生。重度の食物アレルギーを持つ弟のために、「アレルギー特定原材料28品目不使用、ビーガン(植物性の代替食品など)、グルテンフリー(小麦などに含まれるたんぱく質の一種が含まれないもの)」のお菓子を考案し、「ISSA KITCHEN TOKYO」ブランドで米粉を主原料としたクッキーを開発。

 本プログラムを通して、原材料の調達から「チョコレート、いちご、ブルーベリー、ほうじ茶味」のクッキーや宮古島のホテルとコラボレーションした商品の開発にも取り組み、販路の拡大に向けて日本中を飛び回ったという。

 さらに、農中の紹介で製菓コンクール世界1位のパティシエが新商品の開発に参画。小麦やバター、卵を使わないと難しいといわれてきたおいしいお菓子作りに挑戦し、開発が進んでいる。一方で、販路の拡大においては、コスト面での課題をクリアすべく、自社工場の設立なども視野に入れている。

 加納CEOは、「JAグループのみなさんに多大なご支援をいただいて感謝している。食物アレルギー対応の食品はまだまだ少なく、アレルギーの罹患(りかん)率も増えている。本取り組みを広げていくとともに、アレルギーの原因解明や治療方法などの課題解決に役に立つ企業になっていきたい」と将来を見据えた。

 乳幼児の6人に1人が食物アレルギーを持つといわれ、患者数も増えている現代で、RelieFoodをはじめとする企業の今後の取り組みに注目だ。

ISSA KITCHEN TOKYOのアレルギーフリーのクッキー=RelieFood提供

 

 本プログラムには他に、ベンナーズ、ミライ菜園、ASTRA FOOD PLAN、ケーディービーアイ、mizuiro、フェイガー、TRINUS、輝翠TECH、AGE technologiesといったスタートアップ企業が参加し、それぞれ成果を発表した。

 AgVenture Labの荻野代表理事理事長は、第5期の成果発表について「とてもレベルが高く、水産や森林、農業、食品に関する社会課題の解決に向き合い、バラエティーに富んでいるものとなった。6期に向けて、さらに飛躍していきたいと考えている」と感想を述べ、「未来を変えるのはスタートアップ企業。スピード感を持ってイノベーションを起こすためには、起業家の力が必要。頑張ってほしいし冒険もしてほしい、JAグループも全力で応援する」と力強く語った。

 JAアクセラレータープログラムの第6期は、2024年に入ってからスタートアップ企業の募集を開始する予定。


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