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クラボウ(大阪市)は、JR東海と共同で東海道新幹線のレールや枕木、締結ボルト、道床バラストといった軌道材料の計測を高速走行中に行う国内初のシステム「軌道材料モニタリングシステム」を開発した、と発表した。
クラボウは、高速画像処理技術で時速100キロの走行でも高速道路の路面を正確に検査できる路面性状検査システム「PG-4」を鉄道軌道材料の計測に応用しようと開発を進めてきた。その後、クラボウとJR東海が共同でシステム開発に取り組むこととなり、JR東海が培ってきた新幹線の軌道計測技術やノウハウとクラボウの技術を組み合わせ、時速300キロでも軌道材料の状態を正確に計測できるシステムが完成した、としている。
JR東海はこのシステムを活用することで、係員による現地での点検回数が少なくなり、タイムリーにメンテナンス作業を行えるようになる。2027年以降の実用化を目指して検証し、精度の向上を図る。
鉄道の保線は、軌道材料を係員が徒歩で全線を移動しながら目視や計測器具を使い行うため、多くの労力と時間がかかっている。今後は労働力人口が減少するため、業務の効率化や省人化が求められていることから、クラボウは、在来線や私鉄への導入も目指している。