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リサイクル率の高さなどスチール缶の特性を来場者にアピールした大和製罐マーケティング部長の山本達平さん(中央)=東京都渋谷区の渋谷キャストガーデン、2025年2月15日

リサイクルの優等生“鉄”をPR スチール缶茶配布、大和製罐

 総合容器メーカーの大和製罐(だいわせいかん、東京都千代田区)は2月15~16日、東京都渋谷区のイベント会場で、同社がPR用に準備したスチール缶(鉄99%)の飲料「THE鉄観音茶」5千個を来場者に振る舞い、リサイクル率・加工性・強度・供給安定性などに優れた容器材料としての“鉄”の特性を来場者にアピールした。

 廃棄後も各種鉄製品に姿を変える“リサイクルの優等生”スチール缶の特性をPRする一環で実施。大和製罐は昨年から、スチール缶飲料のオリジナル自販機をイベント会場に設置したり、再利用できるイベント用の「スチールカップ」を各種イベントで提供するなどしたりして、「スチール缶」への関心を高める活動に取り組んでいる。

スチール缶飲料「THE鉄観音茶」(左)とイベント用に提供する「1Day Steel Cup(ワンデースチールカップ)」

 

 2月15日は午前11時から始まった、栃木県産いちごなどを販売するイベント「とちぎのいちごふぇす2025」(下野新聞社主催)の会場で、イベントスタッフが、来場する親子連れやカップルらにスチール缶飲料「THE鉄観音茶」(235ミリリットル)を一つ一つ手渡した。

 「THE鉄観音茶」のスチール缶は、会場の並んだいちごの輝く赤色に負けない、目立つ華やかなピンク色。硬く丈夫でどちらかというと黒っぽいカラーイメージの鉄に親しみを持ってもらうための工夫という。中身の飲料は、スチール缶の鉄にちなみ、ウーロン茶の一種で、すっきりした飲み口の「鉄観音茶」にした。

来場者にスチール缶飲料「THE鉄観音茶」を手渡すイベントスタッフ(右)

 

 会場でスチール缶の利点をアピールした大和製罐マーケティング部の山本達平部長は「スチール缶の材料である鉄は、豊富に存在する資源。廃棄後の回収システムも全国で確立されているのでリサイクル率も高い」と指摘。

 また「高温で溶かせば、ほかの成分が混ざっている鉄製品でも元の純粋なほぼ100%の鉄に戻すことが容易なので、鉄は無駄なくさまざまな鉄製品の材料に転用することができる。回収したスチール缶の鉄がリサイクルされて、例えば橋脚や自動車などの材料に使われる。今回の配布が、これらの鉄の特性を知るきっかけになればうれしい。今後もさまざまな地域の若者向けイベントで、スチール缶の優れた点を、若い世代にアピールしていきたい」と話した。

素材別のリサイクル率などをまとめた「スチール缶リサイクル年次レポート2024」の表紙=スチール缶リサイクル協会ホームページ

 

 鉄鋼・製缶メーカーや商社らでつくるスチール缶リサイクル協会によると、スチール缶のリサイクル率は93.5%(2023年度、同協会年次レポート2024)。アルミ缶の97.5%(23年度)は下回るものの、ペットボトルの86.9%(22年度)やガラス瓶の75.4%(23年度)を上回っている。ほかの素材容器に比べて高いリサイクル率は、製鋼原料として廃棄スチール缶が高く市場で評価されていることや分別収集体制の確立、選別・加工精度の向上などが理由という。


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