住友ゴム工業(神戸市)はこのほど、ゴムノキの組織培養技術の共同研究に関する協定をタイ国立コンケン大学と締結したと発表した。ゴムノキの植物生理学的反応に関するデータを分析し、天然ゴムの収量向上につながる仕組みの解明を目指すという。
共同研究では、ゴムノキの苗木を増やす方法として、住友ゴム工業が現在開発しているゴムノキの一部組織を分離して試験管内で培養する「組織培養技術」と、一般的な方法である「接ぎ木」を対比し、それぞれの苗の生育や葉の形などを調べる。
住友ゴム工業によると、「組織培養技術」の苗は一般的な「接ぎ木」の苗と比較して、植え付け初期(1~2年)の成長が早いことが確認されているという。同社は「将来的には、コンケン大からのインターンシップを受け入れ、ゴムノキの生産性向上だけでなく、ゴムの木の生産国であるタイの人材育成にもつなげたい」としている。