東京都狛江、調布両市の多摩川住宅団地2棟522戸を1217戸の大規模マンションに建て替え再生する「多摩川住宅二棟団地マンション建て替え事業」が進んでいる。事業を行う多摩川住宅二棟団地マンション建替組合がこのほど、狛江市の認可を受けて発足した。2024年度に着工し、2028年度に全工事が完成する予定だ。
多摩川住宅は1960年代に東京への人口集中に伴う住宅難に対処するため開発された大規模集合住宅。敷地約33.4ヘクタールに賃貸住宅1826戸、分譲住宅2048戸を抱える。12階建て高層建築や大型店舗、野球場、テニスコート、公園、小・中学校3校を備えたマンモス団地として知られた。建設から50年余りが経過し、建物の老朽化や住民の高齢化などの問題を抱え、街の再生、活性化が課題となっていた、という。
建て替え事業は、公園を中心とした「自然の中の住まい」を掲げ、約5ヘクタールの広大な敷地に約1ヘクタールの公園や遊歩道を設ける予定。敷地内を東西南北に貫通する歩行者空間沿いにはカフェラウンジやキッズルーム、テレワークスペースなどの共用施設を配置し、多様な世代が交流するにぎわい促進スペースを創出する。また「建築環境総合性能評価システム」の認証を受けるなど、環境性能に優れた長持ちする良質な住宅形成に貢献することで受けられる「容積率制限緩和」を前提に事業を進めるという。
この建て替え事業には、積水ハウス(大阪市)、小田急不動産(東京都渋谷区)、長谷工コーポレーション(東京都港区)が「参加組合員」として参画する。