コナミグループ(東京都中央区)がゲームなどの研究開発拠点として建設中の楕円形の巨大自社ビル「コナミクリエイティブフロント東京ベイ」の上棟式が11月14日、東京都江東区有明3丁目の建設地で行われた。関係者20人が順調に進む工事の節目を祝い、2025年秋の完成に向けて工事の無事を祈った。
上棟式であいさつしたコナミグループの東尾公彦社長は「これまで事故なく安全に工事を進めてこられた工事関係者の皆さまに感謝したい。コナミクリエイティブフロント東京ベイは最先端の研究開発拠点を目指しており、完成が待ち遠しい。将来も地図に残る“有明のシンボル”となるよう、引き続き皆さまのお力添えをお願いします」と述べた。
式には、このビルを設計した日建設計(東京都千代田区)の大松敦社長と、工事を行う大成建設(東京都新宿区)の相川善郎社長も出席。東尾社長とともに、神職を招いた神事に臨んだほか、クレーンでつり上げてビル上部に据える大きな記念の「棟」(鉄製)に、金色のボルトを締める行事などにも参加した。
巨大クレーンで大きな棟がビル上部に空高く持ち上がると、上空を見上げる参加者から大きな拍手が起こった。
コナミクリエイティブフロント東京ベイは地上8階、地下1階建て。敷地面積は1万1155平方メートルで延べ床面積は5万6194平方メートル。クリエーターなどの入居者の規模は最大2千人。
デジタルゲームなどの制作に関わる多様なクリエーターが商品の研究開発を行う空間とするため、コナミグループのクリエーターなど約3千人から意見を聴取し、要望を数多く取り入れた、という。
屋上の緑豊かな広大な「屋上庭園」や、発想の異なる多様なクリエーター同士の偶発的な出会いを促進する、全階をらせん状の通路でつなげた「動線」の工夫など、随所にクリエーター本位の設計を施した。
上棟式後、東尾社長は「都内では銀座のビルに続き2棟目の自社ビルになる。クリエーターの偶発的なコミュニケーションによるイノベーションにも期待し、想像力豊かなたくさんのクリエーターの皆さんがその力を最大限発揮できる空間にしていきたい」と抱負を述べた。
日建設計執行役員の杉山俊一氏は「シームレス(継ぎ目がない、円滑)をキーワードに、クリエーターの皆さまが創造力を発揮して素晴らしい商品を生み出せるような空間の設計に努めた。全階フロアーをシームレスにらせん状につなぎ、ゆっくり歩いて全階をたどれる構造の楕円形のビルは日本にはほとんどないと思う」とユニークな構造を強調した。
大成建設東京支店作業所長の市塚貴浩氏は「コナミグループ様、クリエーターの皆さまがコナミクリエイティブフロント東京ベイに寄せる期待の大きさを工事関係者みんなで受け止めて、事故なく安全に来年秋の工事完成に向けて頑張っていきたい」と語った。