トヨタグループの豊田中央研究所(愛知県長久手市)はこのほど、リチウムイオン二次電池内のリチウム金属の析出を高周波電流の応答で検出する技術を開発した、と発表した。リチウムイオン二次電池を長期間利用する際に必要となる電池の健全性を調べる技術としての活用が期待できるという。
統計的データ処理や機械学習を用いて間接的に検出する従来の技術と異なり、今回開発した技術は、特定の高周波帯域の電流を流すことで非破壊の手法で素早くリチウム金属の析出を検出できるという。負極表面にリチウム金属が存在する場合、電子が流れやすい方向に生じる電池内部の抵抗変化から、リチウム金属析出の有無を診断する。
開発内容は学術出版社シュプリンガーネイチャーの論文誌「ネイチャーコミュニケーションズ(オンライン)」に昨年11月10日掲載された。