9月1日は「キウイの日」。栄養士と管理栄養士の養成施設学生を対象にした、キウイフルーツを使ったレシピコンテスト「キウイでポジティブを届けよう!」(主催=一般社団法人 全国栄養士養成施設協会、協賛=ゼスプリ インターナショナル ジャパン、協力=新宿高野)の最終審査会が8月29日、東京都内で開かれた。栄養士・管理栄養士の卵たちが、栄養などを生かしたオリジナルのレシピを考案し、キウイの料理(ミール)とスイーツの新作に挑んだ。
▼508分の6
コンテストのテーマは「栄養士・管理栄養士を目指す学生の視点を活(い)かした、キウイを使用したヘルシーでポジティブになれるレシピ」。1次審査は、寄せられた508レシピ(ミール部門232、スイーツ部門276レシピ)を審査。この日、服部栄養専門学校(東京都渋谷区)で開かれた最終審査には、ミール部門から尚絅学院大学(宮城県)、愛国学園短期大学(東京都)、服部栄養専門学校(東京都)の3グループ、スイーツ部門は女子栄養大学短期大学部(東京都)、京都栄養医療専門学校(京都府)、下関短期大学(山口県)の3グループが参加した。
最終審査は、服部栄養専門学校校長の服部幸應氏を審査委員長に、全国栄養士養成施設協会副会長の香川明夫氏、新宿高野フルーツクチュリエの森山登美男氏、ゼスプリ インターナショナル ジャパンの栗田麻衣子氏の4人が務めた。両部門合わせての最優秀賞にはミール部門で「ビーガン冷やしキウイ担々麺」を作った服部栄養専門学校栄養士科2年生、渡邊篤子さん(44)が選ばれた。
6グループは50分間の調理時間でそれぞれのミール・スイーツを完成させ、レシピの特徴を審査員にアピールした後、試食審査が行われた。審査員らは調理しているテーブルを回りながら、調理手順だけでなく、片付けや洗い物などをチェックしている様子も見られた。
▼キウイ丸ごと唐揚げや水羊羹も
各グループのレシピと受賞内容は以下の通り。
〈ミール部門〉
▽ビーガン冷やしキウイ担々麺(服部栄養専門学校栄養士科)=最優秀賞
▽揚げない!まるごとキウイのサクサク唐揚げ(尚絅学院大学健康栄養学群健康栄養学類)=ゼスプリ賞
▽ベジフルちらし(愛国学園短期大学家政科食物栄養専攻)=入賞
〈スイーツ部門〉
▽濃厚!キウイチョコブラウニー(女子栄養大学短期大学部食物栄養学科)=優秀賞
▽ローマのキウイ日(京都栄養医療専門学校栄養士科)=新宿高野賞
▽爽やかとろりん水羊羹(ようかん)(下関短期大学栄養健康学科)=入賞
受賞者発表の前には、タカノフルーツパーラーで「フルーツクチュリエ(パーラーの職人)」を務める森山登美男氏によるカッティングデモンストレーションが披露され、参加した生徒らはプロの技術を熱心に見つめていた。
▼ダイバーシティー
最優秀賞(協会奨学金10万円と副賞ゼスプリグッズ)に選ばれた、栄養士を目指しているという渡邊篤子さんは、コンテストに1人で応募。「中華が好きで、キウイと担々麺の組み合わせはオリジナルだと思った」とレシピ考案の発想を話した。同級生らにベジタリアンやビーガンの人がいることもあり「SDGsの観点も考えた」と説明。審査委員長の服部氏は「これからは多様性(ダイバーシティー)が大事だ。物を捨てないといったSDGsに合わせた調理が必要になる」と評価した。
▼「キウイの日」に夏バテ防止を
9月1日は、ニュージーランド産キウイフルーツの輸入やマーケティングなどを手がけているゼスプリ インターナショナル ジャパンが「9(キウ)」と「1(イ)」の語呂合わせで「キウイの日」に制定したという。キウイフルーツはビタミンCをはじめ、食物繊維やカリウムなど豊富な栄養素が含まれていることで知られ、夏バテ防止にもなりそうだ。そのまま食べてもいいが、コンテストのレシピのようにさまざまにアレンジできる点も魅力。オリジナルレシピに挑戦してみるのもいいだろう。