国内外で学習塾を運営する公文教育研究会(大阪市)は、バングラデシュの公立中等教育学校6校で、デジタル学習の1つとして公文式が採用されたと発表した。バングラデシュの公立学校での公文式提供は初めて。
公文教育研究会は、バングラデシュで活動する世界最大級の非政府組織(NGO)であるBRAC、およびBRACが公文式普及のためにバングラデシュに設立した子会社BRACクモンリミテッド(BKL)と、公文式の三者間ライセンス契約を締結している。今回は、BKLがバングラデシュ政府と覚書を締結し、タブレットを使ったデジタル形式での公文式学習プログラム(KUMON CONNECT)を試行する。
試行は2023年1月~24年12月の2年間。6年生から10年生までの算数・数学が対象。公立中等教育学校生徒の学力向上を目指し、今後の大規模な正式導入に向けた検証を行う。すでに2023年3月から1校目の学習を開始している。
バングラデシュのICT省は、“デジタル・バングラデシュ”のスローガンの下、全国約2万の中等教育学校のうち2600校以上に無線通信の環境とパソコンを備えたパソコンルームを設けるなど、子どもたちのデジタル学習に力を入れている。
公文式学習プログラム開始の発足式であいさつしたバングラデシュICT省大臣は「デジタル・バングラデシュの政策を推進する上で、グローバルな教育機関である公文のタブレット学習を導入できることを誇りに思う。バングラデシュでは算数・数学の学習に苦手意識をもつ生徒も多い。だからこそ理数系の学力を強化し、国の発展をささえる人材を育成していきたい」とコメントした。
BKLの事業責任者も「現在はダッカのみで公文教室を展開しているが、今回の政府との協業によりダッカ郊外の生徒にも公文式学習を提供できるようになる。住んでいる地域や家庭の所得などに制限されず、より多くの子どもたちが公文式学習の機会を得て、学力や能力を高めてほしい」と期待した。
日本貿易振興機構ダッカ事務所所長の安藤裕二氏は「日本生まれの教育法がバングラデシュの人材育成や国の発展につながることは素晴らしい」とコメントした。