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5月3日の横浜DeNAベイスターズ―巨人で始球式を行った歌手の相川七瀬さん

相川七瀬さんが悲願のノーバウンド始球式 ベイスターズ、ハイセンス「大画面テレビDAY」で達成

 「3年越しの念願がかなってうれしかった」。5月3日に横浜スタジアム(ハマスタ)で行われたプロ野球セ・リーグの横浜DeNAベイスターズ―巨人で、歌手の相川七瀬さんが始球式に登場し、捕手までノーバウンドで届く投球を成功させた。ベイスターズのスポンサーのハイセンスジャパンがゴールデンウイークの時期に実施する恒例の「ハイセンス大画面テレビDAY」のイベントで、家族でベイスターズファンという相川さんは3年連続での大役。この日は、マウンドを託したバウアーの完封で、首位巨人を1―0で破る勝利。ベイスターズ5月攻勢ののろしとなるのか。

ベイスターズの山﨑康晃投手から贈られたグローブを手に撮影に応じる相川七瀬さん
 

 ▽執念の特訓

 快晴の野球日和、試合前から満員のハマスタ。相川さんは七瀬にちなんだという背番号「7」のユニホームで登場、この日リリースされた「Victory Anthem」(ヴィクトリー・アンセム)の曲にのってマウンドへ。ためらわずにモーションに入って投じた球は山なりの軌道を描いて松尾汐恩捕手のミットに届き、巨人の1番、泉口友汰選手のバットが空を切った。両手を上げるガッツポーズで歓声に応えた相川さん。これまで2年は遠かったホームベース到達に「この1年ずっと投げるのをやめなかったから」とほっとした表情をみせた。ライブコンサートで軟らかいサインボールを観客席に投げ入れる際も、「『遠くまで、遠くまで』と始球式を意識していた」と、仰天の練習法を打ち明けた。

 本格的な特訓はシーズン前の2月に沖縄でのベイスターズキャンプを訪れてから。実際にブルペンに入り山﨑康晃投手らから手取り足取りで指導を受けた。自宅では右手にダンベルを持ち、腕を伸ばしたまま真横方向に肩の高さまで上げる動作を30回、毎日か欠かさず行った。「肩が回るようになり、体の使い方が分かってきた」。まるでプロの投手のようなコメントが、ノーバウンド投球に懸ける執念を感じさせた。本番の日は、キャンプの後に山﨑投手からプレゼントされたというサイン入りグローブをつけた。ベイスターズ投手陣の思いも乗せた投球だった。

「ハイセンス大画面テレビDAY」当日の横浜スタジアムのバックスクリーン
 

 ▽キーワードはファミリー

 もともとは現在高校生の息子が小学生のころに「野球を見に行きたい」とせがまれてハマスタに来たのが、相川さんとベイスターズとの出会い。「野球もよく知らなかったんだけど、球場ってこんな楽しいのか」とはまっていったという。ちょうど、球団の経営がDeNAに移り、誰でも楽しめる球場を目指し「コミュニティボールパーク」構想を進めていた時期だ。「家族みんなで楽しめるハマスタ」。始球式を終えた相川さんも、親子3代で応援に声をからした。スポンサーのハイセンスジャパンも、今年は「ファミリー」がキーワードだ。沖縄キャンプでは100インチ(縦125センチ、横221センチ)の大型テレビをチームに寄贈。家電市場でも、テレビ、冷蔵庫、洗濯機、エアコンなどで「家族層を意識した」大型モデルの展開に力をいれるという。

 球団、ファン、スポンサーが同じ方向を向いて、昨年は果たせなかったセ・リーグ制覇と、2年連続の日本一を目指す。スタートダッシュには失敗したが「スロースタートだけど、し烈な戦いになる夏に向かって調子を上げれば大丈夫」と相川さん。「今季のベイスターズは新旧の力が交じり合って、いい循環が生まれている。去年にはない未知の魅力を感じる」と期待を込めた。


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