
子ども服ブランド「ミキハウス」を展開する三起商行株式会社(大阪府八尾市)が実施する「ミキハウス プレママ・プレパパセミナー」が、令和7年度健やか親子21内閣府特命担当大臣表彰(企業部門)で優秀賞を受賞した。10年以上にわたり、参加者と向き合う“直接のコミュニケーション”と体験を重視し、妊娠期の不安に寄り添ってきた取り組みが評価された。
健やか親子21内閣府特命担当大臣表彰は、こども家庭庁が推進する「健やか親子21」国民運動の一環として、内閣府特命担当大臣(こども政策担当)が妊娠期から子育て期を支える優れた取り組みを行う個人・団体・企業を表彰する制度。企業部門では子育て支援や妊産婦の健康増進に寄与する活動が評価される。
同社の取り組みは、出産準備の情報不足に悩んだ男性社員の経験をきっかけに始まった。先輩ママ社員の協力を得たプログラムで、抱っこ、肌着・おむつの着せ方、沐浴(もくよく)など赤ちゃん人形を使って体験できる。講師は独自の研修を修了した「ミキハウス子育てキャリアアドバイザー」が務め、参加者が戸惑ったときにはスタッフが手厚くサポートする体制を整えている。
同社が大切にしてきたのは、「不安そうなプレママ・プレパパが笑顔で帰れること」。情報があふれる時代だからこそ、体験や対話を通じて出産や育児の不安を解消し、前向きに子育てを始められるよう寄り添い続けてきた。受講者からは「自信がついた」「実感が湧いた」といった声が寄せられているという。
取り組みは全国に広がり、累計参加者は延べ約19万人。主要都市では土日で500人を超える応募があり、枠の拡大や動画配信などで受講機会を確保している。コロナ禍にはオンライン形式を導入するなど、時代に応じて内容を更新してきた。
近年は企業や自治体、産婦人科との共同開催も広がっている。東洋ライス株式会社とのタイアップでは、離乳食づくりを取り入れた特別プログラムを実施。岡山県との連携では育児休業を取得した先輩ママ・パパによるトークセッションを加え、家事や育児分担を夫婦で考える機会を提供している。
同社は今後も、ママ・パパが安心して子育てを始められる社会づくりに貢献し、子どものいる生活が楽しく明るいものであることを伝えていきたいとしている。
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