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現在販売されている第三のビール「金麦」3種が26年10月以降、ビールになる

サントリーの第三のビール「金麦」がビールに 26年10月の酒税改正に向け転換

 “日々、家で飲む”エコノミーな第三のビール「金麦」をビールに転換――。サントリーは9月29日、同社の定番商品「金麦」を2026年10月の酒税改正に合わせ、ビールとして新発売すると発表した。

 ビール類は多様化が進み、酒税法によって、ビール、発泡酒、第三のビールに分類され、消費者はそれぞれの嗜好(しこう)で商品を選んできた。税額が安い第三のビールは比較的安価なことから、家庭で日常的に飲むビール類として、市場で大きなシェアを占めている。

 ▽3ジャンルの酒税一本化

 酒税を巡っては、20年10月にビールの税額が下がり、第三のビールの税額が上がった。23年10月には、さらにビールが下がり、発泡酒と第三のビールが同額に。26年10月には三つのジャンルの税額が一本化されることが決まっている。

 この日、サントリーが東京都内で開いたビール事業マーケティング説明会で、多田寅(すすむ)ビール・RTD本部長は、第三のビールについて「酒税が上がることで飲用者数の減少が懸念される」との見方を示した。

常務執行役員の多田寅ビール・RTD本部長。「ビールとエコノミー両輪でビール類市場を活性化したい」
 

 サントリーは「サントリー生ビール」や「ザ・プレミアム・モルツ」といったビールが知られるが、ビール類ブランドの中で、低価格帯の第三のビール「金麦」の出荷量が最も多い。多田氏は「ビールが減税され、(第三のビールなど)エコノミーは増税となるので、ビール化の流れは継続する」とした上で「エコノミー市場の重要性は変わらない」と強調した。

 ▽従来の価格帯でビールに

 こうした流れを背景に、26年10月以降のビールとしての「金麦」について、多田氏は「これまでの価格帯のままビール化する」として、ビールジャンルの中でのエコノミー需要に応える考えだ。

 「金麦」のビール化について、ビール商品開発研究部の水口伊玖磨・開発主幹は「ビールの要件となる麦芽比率を50%以上にし、麦のうまみが感じられるようになる」と説明した。

「飲み応えを強化しながら、金麦らしいすっきりとした後味も」と話す水口伊玖磨・開発主幹
 

 「金麦」は2007年に発売し、現在「金麦<ザ・ラガー>」「金麦<糖質75%オフ>」と合わせ3種が市場投入されている。3種とも26年10月以降、第三のビールからビールに置き換わるが、多田氏は「ブランドとして一定の支持を得ている」として「金麦」の名称を残すとした上で「ビール化でさらに強いブランドにする」と強調した。

サントリーのビール類ラインアップ

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