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「キラキラ」「ワクワク」「バリバリ」 2025年新入社員に聞いた「私の理想の働き方」

 期待と緊張とともに新社会人が歩み出す4月。今どきの「理想の働き方」や「新入社員の特徴」ってどんな風なのかな? 製薬・アパレル・機械・運送の各企業が開催した2025年入社式で、新入社員と採用担当者に聞いてみた。

■セルフケアを大切に——第一三共ヘルスケア

第一三共ヘルスケア入社式に出席し、笑顔でフリップボードを掲げる新入社員ら

 

 風邪薬「ルル」や解熱鎮痛薬「ロキソニン」シリーズで知られる第一三共ヘルスケアは4月1日、東京・日本橋本社で入社式を実施した。セルフケアを掲げ、生活の質向上への貢献を使命とする同社。内田高広社長は「積極的に挑戦し、失敗から学ぶ企業風土づくりに力を入れている。皆さんの大切な人にも入社を勧めたくなる会社を一緒に創っていきましょう」と新入社員に呼びかけた。所信表明では、「ロキソニンSシリーズのように多くの付加価値やスキルを身につけたい」、「ミノンのように優しさと強さを兼ね備えたい」など、同社商品にちなむユニークな目標が語られた。

理想の働き方を擬態語で。

 「バリバリ」。せっかく働くのであればバリバリと働きたい。ただ、プライベート時間も大切にしたいので、時間を効率よく使いたい。社内外の人としっかりコミュニケーションを取り、自分らしく働きたいです。(新入社員・男性)

 「ワクワク」。入社式で社長の話を聞いて、新しいことに挑戦することが楽しみになりました。普段はチャレンジするタイプではありませんが、失敗から色んなことを学んでいきたいです。(新入社員・女性)

今年の新入社員を一言で。

 「温」。社風もあってか、「誰かの役に立ちたい」といった、人に寄り添える優しい・温かい思いを持った人が多く入社しています。健康産業という中での第一三共ヘルスケアなので、プライベートと仕事のバランスをとって頑張ってもらいたいです。(人材開発グループ・河上佳那美さん)

スキンケアブランド「ミノン」にかけて所信表明する新入社員

 

■海外出身・スポーツ選手とワンチーム——三起商行

「感じる人間に成長して」。ミキハウス入社式で新入社員に囲まれた木村皓一社長(中央)

 

 ミキハウスブランドを展開する子供服大手の三起商行は4月1日、大阪・八尾市本社で47期生の入社式を行った。200人を超える先輩社員らが見守る中、中国、台湾、フィリピン、カンボジア、ブラジルなど海外にルーツのある11人を含む新入社員21人らに辞令が授与された。ミキハウス硬式野球部や柔道や陸上、フェンシングなど競技部所属の社員も同期として参加。27期生で元卓球女子日本代表の平野早矢香さんは「一人一人の努力が、ミキハウスの一つ一つの商品が、世界中の子どもたちの笑顔につながる。みんなで力を合わせて素晴らしいチームミキハウスを作っていきましょう」と激励した。

理想の働き方を擬態語で。

 「テキパキ」。1週間、研修でみんなと共同生活をするときに、テキパキと動かないと社会人として厳しいと感じた。人事部でもテキパキと動く、まずは行動することを意識したいと思います。(新入社員・男性・人事部)

 「ワクワク」。台湾出身で1年半ほど前に日本に留学し、ご縁があって内定をいただきました。社会人になって疲れたり、困難に遭うことはたくさんあると思いますが、仕事の中で楽しみを探しながらチャレンジしていきたいです。(新入社員・女性・銀座三越店)

今年の新入社員を一言で。

 「キラキラ・ギラギラ」。個性が輝き、内に秘めた熱いものを持っているという意味で。海外展開や日本製にこだわったものづくりなど、「世界のミキハウス」を目指して、いろんな背景、価値観がある子がいるといいなと思っていたので、それが体現できたメンバーだなと思います。「こういうことをやりたかった」という入社の原点を忘れずに努力してもらいたいです。(人事部部長・勝間銀次郎さん)

ミキハウス人事部部長の勝間銀次郎さん

 

■先が見えない時代のポテンシャル——カナデビア

カナデビア入社式で挨拶する桑原道社長兼CEO

 

 環境プラントなどを手掛ける大手機械メーカーのカナデビアは4月1日、大阪市本社で入社式を開催。昨年10月に日立造船から社名を変更して以来、初の新入社員となる113人(事技職93人、技能職20人)を迎えた。桑原道社長兼CEOは、変化が激しく不確実で複雑で曖昧な時代を踏まえ、「未知との遭遇が常識となる時代には、過去の経験に頼るだけでは不十分。柔軟な思考と情緒的なバランスが必要」とイスラエルの歴史学者ハラリの言葉を引用。「皆さんの最大の武器は、前例踏襲バイアスにとらわれない柔軟な精神や思考。不確実性の高い社会だからこそ発揮できる高いポテンシャルを秘めている」と新入社員を鼓舞した。

理想の働き方を擬態語で。

 「びしばし」。入社式と社長あいさつを受けて、カナデビアグループを世界に欠かすことのできない会社へと成長させる仕事をしたいという目標ができました。主力の環境事業以外にも世界に誇れる素晴らしい技術がたくさんあり、その全てに世界をより良くする力があると私は信じています。当社の製品に自信を持って未来に貢献していきたいです。(新入社員・男性・事技職)

 「わくわく」。どんな仕事にも自分の成長につながる部分があると思うので、常に良い側面を見つける視点を持ちながら仕事を楽しみたいです。仕事を、生きる手段だけでなく、人生を充実させ輝かせてくれる生きがいにもしたいです。オンとオフの使い分けも大事。勤務時間内にきっちり業務を終わらせ、週末は趣味を楽しんで体を労う時間を取っていきたいです。(新入社員・女性・事技職)

今年の新入社員を一言で。

 「十人十色の新戦力」。今年の入社式からリクルートスーツを廃止し、服装自由としました。皆さんの個性や魅力が組織に新しい風を吹き込んでくれることを期待しています。創業者から受け継いだ「果敢に挑戦する」DNAを大切に、上司や仲間を信頼し、柔軟な発想で大胆にチャレンジしてください。失敗も貴重な経験となり、成長につながると思います。(人事部採用グループ・井原千秋さん)

機械事業本部電子制御ビジネスユニット所属の宮坂つぐみさん(左)と環境事業本部 設計統括部 環境プロセス第1計画部の阿部宗一郎さん

■あらゆるチャンスにチャレンジ——サカイ引越センター

ルネッサンス様式の外観と格調高い装飾を誇る歴史的建物で開催されたサカイ引越センターグループ入社式

 

 引越し業界最大手のサカイ引越センターグループは4月8日、重要文化財・大阪市中央公会堂で入社式を開催した。「同期の絆を深めてほしい」という人事部の願いから、全国の新入社員を初めて一堂に集めた。物流業界の人手不足が課題となる中、新入社員数は合計484人。グループは引っ越し業にとどまらず、家電設置、ハウスクリーニング、リサイクルショップなど17社を展開し、「世界一の新生活応援グループ」を目指す。田島哲康社長は「チャレンジする姿勢」と「プライベートの充実」の大切さを説き、山野幹夫専務取締役は「出る杭になってほしい」と新入社員にエールを送った。

理想の働き方を擬態語で。

 「キラキラ」。自分が楽しんで仕事に取り組まないと、お客様も気持ちよく引っ越しできないと思うので、自分がキラキラ働く姿をお客様に見ていただけるよう頑張りたいです。幼い頃から人の役に立つ仕事に就きたいと思っていました。引っ越しや新生活を迎えるお客様が新しいスタートを気持ちよく切れるよう、支える人になりたいです。(新入社員・男性)

 「バリバリ」。もともと人前で発表するのが苦手でしたが、社会人として苦手を克服し、バリバリ働けるよう頑張りたいと思います。私は本社勤務なのでお客様と直接会う機会は少ないかもしれませんが、お客様にも社員同士も「まごころ」をもって働きたいです。(新入社員・女性)

今年の新入社員を一言で。

 「直感的」。売り手市場で多くの企業を比較検討するより、直感的に決める学生が目立ちました。物流業界はあまり良いイメージがないのですが、大学のキャリアセンター訪問やインターシップを通じて、引っ越しだけでなく多様な事業があることや、社員の人柄を知ってもらえました。今年はネパールやベトナムから初めてIT人材などを採用。昨年末からTikTokも始め、これからも会社の魅力を直感的に伝えていきたいです。(人事部部長・大庭康広さん)

家電の販売・設置などを行う新世紀サービスに入社した北村拓夢さん(左)と本社勤務の梶原沙月さん

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