b.[ビードット]
握手する横浜DeNAベイスターズの木村洋太社長(左)とハイセンスジャパンの張喜峰社長=2月6日、沖縄県宜野湾市

“Be Crazy”でともに頂点へ! 横浜DeNAベイスターズ×ハイセンス トップ対談(上)

 プロ野球の日本シリーズで昨年、26年ぶりの日本一に輝いた横浜DeNAベイスターズは、リーグ優勝、日本一連覇を目指し沖縄県宜野湾市のキャンプ地で新たな戦いを始めている。一方、ユニホームスポンサーとしてチームをサポートするハイセンスジャパン(川崎市)は、薄型テレビ市場で傘下ブランドを合わせたグループ全体で国内シェア1位を誇る。昨年12月に李文麗社長の後任として就任したばかりのハイセンスジャパン・張喜峰社長(42)と、ベイスターズで就任5年目の木村洋太社長(42)が宜野湾市内で対談。熱狂する熱中するといった意味を込め「Be Crazy」(クレージーになろう)を掲げ球団を引っ張る木村社長に、張社長が「一緒に世界の頂点に立ちましょう」と応じるなど意気投合した。2回にわたり採録する。

ハイセンスジャパンの張社長
 

 ―まだ面識を得て日も浅いかと思いますが、お互いの人柄や組織運営についての印象は。

 張 日本で最も人気があるスポーツのチャンピオンチームに、スポンサーという立場で関われることはとても栄誉なことです。今日、初めて練習を見させてもらいましたが、選手たちの一挙手一投足から感じられる勢いや情熱に圧倒されました。木村社長の“Be Crazy”というキャッチフレーズも素晴らしいと思います。一歩前に出て大胆に挑戦する勇気。そうしたことを鼓舞し、組織を前向きに動かしている経営者だと拝察しています。

 木村 昨年12月に来日された直後に食事をご一緒しました。ハイセンスというグローバル企業において複数の国で現地法人トップを務めて日本に来られるということで構えていましたが、会うと若い方なので驚きました。同時に、ハイセンスというのは「こういう文化の会社なのか」と感心しました。文化や背景の異なる国の人々を束ねるにはコミュニケーションが何より大切だと強調されるのをお聞きし、「私にない経験をされている方。いい意味でいろいろと盗ませてもらおう」と思いました。

ベイスターズの木村社長

 

 ―ベイスターズは「コミュニティボールパーク」化構想など球団の人気向上を図る施策に積極的です。そうした中でのハイセンスの協力は。

 木村 われわれは単に野球という競技を見せるだけではなく、たとえ負けてしまっても楽しめる場所をつくろうと取り組んできました。3万人以上が来る横浜スタジアムでは、食べ物や飲み物を買ったりする際に待ち時間ができますが、ハイセンスさんはそんな時でも試合の状況が分かるようにとコンコースなどに計180台のハイクオリティーモニターを設置してくれました。

 エンタメ活動の必要性も理解していただいています。現在イニング間に行っているオフィシャルパフォーマンスチーム「diana」と一般観客からの応募者がリレーで競走する「Hisense ハマスタバトル」は、もとはハイセンスさんの方から「何か面白いことをやるなら協賛するよ」と言われ、スタッフが考え出したアイデアです。今やびっくりするくらいの名物イベントに成長しましたが、われわれだけではできなかったところに導いてもらったと感謝しています。

分のネーム入りのウインドブレーカーをプレゼントされ笑顔の張社長

 

 張 スポーツと企業ブランドの融合はハイセンスの主要戦略の一つです。2008年にテニスの全豪オープンをスポンサードしたことが始まりで、その後サッカーのワールドカップ(W杯)や欧州選手権、そして日本のプロ野球と展開してきました。スポーツが体現する価値とは、不断に努力を続け、自分の限界を超え、頂点を目指し、見る人に活力を与えるといったことです。われわれは、それが企業が発展理念として必要としていることと共通すると考えています。具体的に言うと、絶えず技術革新をし、製品の品質を向上させ、人々の生活を豊かにするということです。

 木村 ハイセンスさんとは今年で3年目のお付き合いですが、最初お話をいただいた時は、「W杯スポンサーのあの企業が」とうれしく思ったのを覚えています。スポーツマーケティングと企業経営は通じるところがあるという張社長のお話には大いに納得です。また、われわれはプロ野球界の中で最も革新的なチャレンジをする球団だと自負しています。ハイセンスさんのスポーツへの期待と当球団のカラーがマッチしていることに、改めて意を強くしました。

対談中の木村社長(左)と張社長

 

 ―張社長は中国出身で、これまで現地法人トップとして赴任してきたタイ、オーストラリアも含め野球との接点は少なかったと思いますが。

 張 実は今日、対談前にキャンプを見学したのですが、それが私にとって初めての野球でした。練習だと聞いていたのですが、たくさんのファンが来て、選手を応援し、お土産を買ったりしている姿に驚きました。経済効果がどうこうというのではなく、日本において野球はスポーツの枠を超え、ファンの心や生活に深く入り込んでいると実感しました。こうしたスポーツと企業ブランドを融合させることで、われわれはポジティブな影響力を発揮することができます。これからベイスターズと、多くのことで協力する余地があると確信しました。

 木村 マーケティング的な観点から言うと、野球は3月のシーズン開始から10、11月までほぼ毎日試合があるということが利点の一つです。サッカーW杯や全豪テニスと比べると瞬間的な注目度では劣るのかもしれませんが、毎日あらゆるメディアのスポーツニュースなどで取り上げられ、人々の目に触れる機会を作ることができます。そうした特徴に応じたビジネス展開を一緒に考えていきたいですね。

(下)に両社長の略歴。続く


関連記事

スタートアップ

スポーツ

ビジネス

政治・国際

食・農・地域

株式会社共同通信社