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25年の地政学的動向を予想 EYが最新リポート

EYパルテノン

 

 世界各国で会計、税務、コンサルティングなどの事業を展開する国際サービスファームEYの日本メンバー、EYストラテジー・アンド・コンサルティング(EYSC、東京都千代田区)の戦略コンサルティング部門、EYパルテノンはこのほど、地政学を踏まえた世界市場の最新リポート「2025 Geostrategic Outlook(2025年に予想される地政学的動向トップ10)」を発表した。

 レポートは、25年の世界市場動向を「各国リーダーの軸足は選挙から統治へ」「各国における経済上の競争と経済主権」「地政学的競争の激化」の3つの視点から、ポピュリズム政策の影響▽課税に関する難題▽人口動態から見える分断▽デリスキング(リスク低減)と依存関係▽デジタル主権▽気候政策と内在する競合課題▽新たな局面にある地政学的エネルギー情勢▽新興国市場の統合▽戦争と紛争▽宇宙政治と宇宙経済―の10項目にまとめて予測。これらの重点項目の予測が、消費財・ヘルスケアや金融サービス、パブリックセクター(政府・公共サービス)、製造業・エネルギーなどの各セクターに与える影響を説明している。

 ポピュリズムに関しては「保護主義の強化、移民の制限などが懸念され、グリーン政策には圧力がかかる」などと指摘。「CEO(最高経営責任者)は、社内外のセンシティブな政治的課題に対処するためのコミュニケーション戦略を策定し、地政学的動向から生じ得る事業上のリスクやレピュテーションリスクの軽減が必要」としている。

 またデジタル主権については「デジタル技術の戦略的重要性の高まりから、各国はデジタル空間を政府のコントロール下に置くための政策や規制の施行を、さらに加速する」と予測。宇宙の項目では「技術能力と宇宙資源の所有権主張のために多くの国・地域が競争を熾烈(しれつ)化するにつれて、多極化する宇宙競争は新たな域に達する」とする。

 


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