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ドールの「もったいないバナナ」を食べる元プロ野球阪神の掛布雅之さん

ドールが「もったいないフルーツアクション」始動 バナナから拡大 ミスター虎・掛布さんも協力!?

 皮の傷やサイズのばらつきが原因で廃棄されるバナナを救う目的で推進してきた「もったいないバナナプロジェクト」が3周年を迎えたドール(東京都中央区)が、「フルーツロス・ゼロ」を目指して共創型プロジェクト「もったいないフルーツアクション」を開始した。10月4日に本社で開いた記者会見では、「皮の一部が黒くなったバナナの外観は虎そっくり」として、「ミスター・タイガース」こと元プロ野球阪神の掛布雅之さんのアンバサダー就任も発表された。

ドールの青木寛社長(右)とドール拡大推進室の成瀬晶子さん
 

 「随分、無理やりトラと絡めましたね」。「もったいないバナナ」アンバサダーとして紹介された掛布さんが笑いながら会見場のステージに登場した。ここ3カ月で12キロのダイエットに成功した際には、バナナと牛乳を中心に栄養をとっていたという話を披露。愛車の中には、芳香剤の代わりに常にバナナを2本入れてあると明かし「皮が黒くなってきたら食べ頃。ドライブしながらいただきます」。ユニークなバナナ活用法に、ドールの青木寛社長以下も感心しきり。関西エリアでは「トラバナナ」としてプロモーションしていくという。

もったいないフルーツを使った商品の数々
 

 「もったいなバナナプロジェクト」には50社を超える企業が参画し、お菓子や飲料などさまざまな食品を生み出している。スターバックスでは今年5月下旬から各店舗で「もったいないバナナ救出大作戦」といったチョークボードを掲示。「バナナ ブリュレ フラペチーノ」などを販売している。客はレシートにあるQRコードから「もったいないバナナのストーリー」を閲覧できるようになっており、6月は同社ホームページでページビュートップだったという。規格外バナナを職場に届ける「オフィス・デ・ドール」を利用しているウェブサービス企業「ディップ」の志立正嗣代表取締役COOは「若い社員は、バナナがおいしいのはもちろん、持続可能な開発目標(SDGs)に貢献できていることを喜んでいる」と話した。

「青バナナカレー」と「青バナナライス」
 

 こうした取り組みで日本への輸入の8割を占めるフィリピンのドール契約農場では昨年度、年間2万トンだった廃棄バナナのうち900トンを削減できたという。試食コーナーには、「パウンドケーキ」や「バナナスコーン」といった定番もののほかに「青バナナの皮酢漬け(ピクルス)」「青バナナカレー」「青バナナチップス」といった意外性の高い食品が並んだ。さらにユニークなのは真っ黒に炭化させた「バナナ炭」。バーベキューなどの調理用や脱臭剤、調湿剤としての利用が可能だという。

「バナナ炭」
 

 新たなプロジェクトでは、バナナ以外にもパイナップル、キウイ、マンゴー、アボカドといったドールが取り扱う輸入果物でも取り組みを進め、ゆくゆくはブドウやモモといった国内青果にも対象を拡大していきたいとしている。新商品の企画や開発をサポートする仕組みとして、イロリ社が提供するオンラインのコミュニティー「Crafty」を活用し、食の職人やクリエーターをつなぐクローズドSNSも立ち上げた。

 青木社長は「規格外の『規格』というのは、結局は日本の消費者に合わせたもの。最終的にはそこの意識が変わるムーブメントにしていきたい」と話した。


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