マリモホールディングスのグループ会社で、釣り具の輸出や釣り情報サイトを運営するフィッシュフレンズ(広島市)は、瀬戸内海の海底から回収したルアーなどの釣り具をリメークし、釣具店で販売したり配布したりすることで資源の循環が可能かを検証する実証実験を始めた。
同社が運営するウェブサイト「FISHFRIENDS」の会員からの投稿写真を元に瀬戸内海の20地点の海底を調べたところ、プラスチックやカキの養殖パイプなどのごみのほか、釣り具が岩場に引っかかっている場所が多いことが明らかになったという。そこで同社やボランティアダイバー、漁師などが協力して釣り具を回収。傷や塗装のはがれのあるルアーは同社が再塗装を施し、再販または配布をする計画だ。売り上げを原資に、瀬戸内海の環境を釣り人の手によって継続的に守る仕組みを構築したい、としている。
実証実験は「釣り人視点での海ごみ回収の促進及び海底ゴミのリメークによる資源循環スキームの構築」事業として、日本財団と瀬戸内海に面する岡山、広島、香川、愛媛の各県が推進する包括的海洋ごみ対策プロジェクト「日本財団・瀬戸内オーシャンズX」から助成金の交付対象に選ばれた。同助成金の交付対象に選定されたのは、2023年度の「釣り人と共にITを駆使した戦略的な海ごみ回収の実践事業」に続き2度目という。