ツムラ(東京都港区)は、20代〜60代の男女3000人を対象に「第4回 なんとなく不調に関する実態調査」を実施。「2023年に『なんとなく不調』を感じた人は、8割と前年よりも増加し、30代女性は9割だった」などとする結果を公表した。
ツムラは、自覚しながらもつい我慢しがちな症状や、調子が悪いものの病名の診断がつかない症状の総称を「なんとなく不調」と定義し、21年から調査を行っている。今回は、23年12月4日~7日にインターネットで実施、3000人の内訳は、性別・年代別に各300人ずつの男女各1500人。
2023年は全体の80.0%が「なんとなく不調」を実感し、22年(72.1%)から7.9ポイント増加した。特に30代の女性は90.0%で、男女、世代別を通して最も多かった。上位の症状は、「疲れ・だるさ」「目の疲れ」「肩こり」「頭痛」。要因は「睡眠不足」「やる気が出ない」「加齢」「気温の寒暖差が激しい」という回答が多かった。「なんとなく不調」を感じる日数は1カ月のうち、平均で9.5日で約3分の1に上った。一方で「なんとなく不調」で医療機関を受診するのは29.5%となり、前回(35.7%)より減少していた。
24年についても、全体の約8割(79.4%)が「なんとなく不調」を感じそうだと予想しており、この傾向は今年も続くとみられることがわかった。
調査結果について、内科医・漢方処方医で「みたかヘルスケアクリニック」(東京都三鷹市)の福島偉(ふくしま・たかし)院長は「今の日本社会を覆う閉塞(へいそく)感のようなものが、漠然とした不安となり、不調の要因につながっていることも一因と考えられる。不安をあおるように感じられる情報に触れ、自律神経の不調を訴える人の増加につながっているのではないか」と分析。「この程度で…と放置せずに、まずは受診することが重要だ」とコメントしている。