とんかつなどの冷凍食品を製造・販売する食研(千葉市)はこのほど、愛知県豊橋市の「豊橋工場」を同市内に新設移転し、2023年12月中旬から稼働を始める、と発表した。
新工場はカツ類などを製造する。投資額は55億円。豊橋市内の既存旧工場に比べ、敷地面積は約5.8倍、年間生産能力は約2倍の5000トンに拡大する。食研全体の年間生産能力は千葉工場(千葉市)と合わせて1万トンになる。
近年、共働き世帯の増加やコロナ禍で冷凍食品の需要が拡大。総務省の家計調査によると、1世帯あたりの冷凍食品支出金額は、2017年の7426円から2022年1万106円に増えている。食研の売り上げも直近4年間で25%増と好調だ。
新工場に導入する急速冷凍設備は、二酸化炭素やアンモニアを使う「自然冷媒」を採用。従来の温室効果ガス・フロンを使う「冷媒」方法に比べて地球温暖化への影響を大幅に抑えられるという。
食研は「東の千葉工場と、西の豊橋工場の東西2拠点体制で適地生産(大消費地の近くで生産し物流を効率化する)の実現を目指す」としている。