日立ビルシステム(東京都千代田区)と日産自動車(横浜市)は、日産が2022年6月に発売した軽電気自動車(EV)「サクラ」のバッテリーから給電し、日立の標準型エレベーター「アーバンエース HF」を、外部給電が可能なバッテリー残量10%まで連続稼働させる実証実験を行ったところ、14時間56分の連続稼働を達成した、と発表した。
実験は、6階建ての試験棟に設置されたエレベーターの稼働電力をEVからの給電に切り替え、停電時に使用する低速運転モードで行った。1階と6階でドアを開閉し、実際に利用する重さを想定した重りを搭載し、往復運転した結果、実験開始から14時間56分が経過した時点でバッテリー残量が10%となりエレベーターは停止した。この間、エレベーターは416往復した。
日産の「リーフe+」を使って同条件で連続稼働した場合の理論値は、連続昇降1248往復、連続稼働時間は44時間48分となるという。
両社は、自動車とさまざまなモノとの接続や相互連携を行う「V2X(Vehicle to X)」に関連し、EVからの給電で停電時のエレベーター利用を可能にするシステムの普及に向けて取り組んでいる。日立ビルシステムは、今回の実証実験の結果を踏まえ、今年6月のV2Xシステムの販売開始に向け、詳細な仕様検討を進める、としている。