視覚で楽しめる！美しい湯色とダイナミックな滝の絶景　「別府・堀田温泉夢幻の里春夏秋冬」　【コラム：おんせん！　オンセン！　温泉！】

　日本一の「温泉湧出量」を誇る別府温泉郷。毎分８万リットル以上の温泉が湧いているそうです。別府温泉や鉄輪（かんなわ）温泉など、別府市内に八つの温泉地があることから「別府八湯」とも呼ばれ、街中に温泉があふれています。温泉好きにとっては、幸せなエリアですよね。

　鶴見岳近くに位置する「堀田（ほりた）温泉」は、別府八湯の中でも静かで落ち着いた雰囲気の温泉地。別府の西の玄関口とも言われています。今回は、そんな堀田温泉にある「夢幻の里　春夏秋冬」をご紹介します。こちらは、私が２月に出演したＴＢＳ系「マツコの知らない世界」の中で、「視覚」で楽しむ温泉としてプレゼンした日帰り温泉施設です。

　堀田温泉へのアクセスは、別府駅から車で向かうと15分ほど。高速道路を利用すると、大分自動車道の別府インターチェンジ（ＩＣ）で降り、約5分で到着します。別府温泉郷の中では、市街地から離れたエリアにあるため、山あいの景色に囲まれ、都会の喧騒（けんそう）から離れたところです。「夢幻の里春夏秋冬」は、その温泉地の最奥に位置しているため、さらに静かな秘境の雰囲気。たどり着くまでに細く曲がりくねった道を通るため、少し不安になりましたが、この風景に溶け込むような外観が見えたときはホッとしました。

　お風呂は男女別大浴場（露天風呂）のほか、貸切風呂が五つあります。貸し切り風呂は、露天風呂の「蛍の湯」「月の湯」「滝の湯」と、内湯の「桜の湯」「藤の湯」。源泉は同じですが、それぞれ広さや趣きが異なっています。また、どのお風呂も、受付がある母屋の奥の川沿いに点在しているため、山の自然を感じながらの湯浴みを楽しむことができ、「視覚」から心身を癒やしてくれます。料金は大浴場が700円、貸切風呂は2500～3000円（4人まで利用可）です。

　泉質は、単純硫黄泉（硫化水素型）。140度の噴気に湧水をあててつくる造成泉で、さわやかで甘い硫黄の香りが漂っています。ミルキーブルーのお湯は、スベスベサラサラで滑らかな肌触りが心地よい感触です。

　どのお風呂も個性的で素敵なのですが、「視覚」で最大限楽しむなら「滝の湯」がおすすめ。こちらは「夢幻の里春夏秋冬」のお風呂で一番奥にあります。4人入ればいっぱいの四角い湯船には硫黄泉が掛け流され、ほんのり青みがかった乳白色の色合いが美しい。そして間近に迫る2本の滝。手を伸ばしたら届きそうなくらい眼前にたたき落され、ダイナミックでワイルドな光景が広がります。お湯に漬かりながら、美しい湯色の温泉と豪快に流れる滝を眺められるなんて、贅沢（ぜいたく）なひとときですよね。「視覚」効果は抜群です。

　お伺いした日の湯色は写真の通りの乳白色でしたが、日や時間帯によって、透明だったり、青みが強かったり、と色が変わり、滝の水量も変化するため、何度訪れてもその変化を楽しむことができます。

　温泉めぐりをする際は、旅先のグルメも楽しみの一つですよね。堀田温泉から車で１０分ほど走った鉄輪温泉エリアにある「地熱観光ラボ縁間」では、温泉の蒸気を使ったグルメを味わうことができます。こちらも「マツコの知らない世界」でご紹介したスポットです。

　１００度前後で湧き上がる温泉の蒸気を使った「地獄蒸し料理」が名物で、中でもおすすめは「海鮮蒸しピザ」です。タルタルソースをベースに、ホタテ、クルマエビ、アスパラガスなどをまんべんなくのせ、大量のチーズをトッピングし、数分の地獄蒸しで完成するピザ。焼くのではなく蒸すため、生地はモチモチフワフワで、チーズはやわらかくピーンと伸びる新食感。塩気のある蒸気を使用するため、源泉由来の塩味もプラスされ、別府の源泉を味わえる温泉グルメです。

　温泉に入り、温泉グルメを堪能する。温泉好きにとって、これほど幸せな時間はありません。今回は「視覚」で楽しめる温泉をご紹介しましたが、ぜひ五感を総動員してアグレッシブにお湯を楽しんでください。より温泉に没入することで、さらに深い癒やしを得ることができると思います。

【堀田温泉夢幻の里春夏秋冬】

住所　大分県別府市堀田

電話番号　0977-25-1126

URL　http://mugen-no-sato.com/

【泉質】

単純硫黄泉[硫化水素型]（低張性中性高温泉）／泉温64.8度／ｐＨ：6.28／湧出状況：自噴／湧出量：不明／加水：なし／加温：なし／循環：なし／消毒：なし　◆完全掛け流し

【地熱観光ラボ縁間】

住所　大分県別府市字鉄輪風呂本２２８−１

電話番号　0977-75-9592

URL　https://enma-ch.com/

【筆者略歴】