b.[ビードット]

かかし型気象センサーを設置 「カカシの里」石川県中能登町に

ファーモ 「IoTカカシ」

 

 スマート農業を推進するファーモ(栃木県宇都宮市)は、石川県中能登町の水田で、IoT(モノのインターネット)技術を活用した同社開発のかかし型気象センサー「IoTカカシ」を使い、農作業の効率化や地域防災の向上に向けた実証実験を実施している。

 かかしの神様「久延毘古(くえびこ)神」を主祭神にする久氐比古(くてひこ)神社がある中能登町は、古くから「カカシの里」として知られる。実証実験には、地元の中能登スローツーリズム協議会や地元農家らが協力。同協議会の大湯章吉理事は「農家支援や将来の防災対策に生かすことを目的」と話し、地域おこしの一環として参画したという。

 IoTカカシは、降水量や気温、気圧、湿度、風速などの気象測定値を利用者のスマートフォンに伝える。田んぼ風景に溶け込むかかしの右手部分に、気温・風力・雨量計などを取り付けている。農家は、手元のスマホで各種気象情報を確認でき、田んぼに行く回数が減り、作業負担を軽減できる。病害虫発生の予測にも役立つという。稼働に必要な電力はソーラーパネルで確保している。

 IoTカカシを田んぼに設置した農家の大湯正宏さんは「稲作では水管理はもとより雨量や温度、湿度、風速の情報は欠かせない。風があるとできない作業もたくさんあるが、水田に行かなくてもスマホで風速を確認ができる。登熟期の昼夜の温度差は食味を大きく左右するので、夜間の潅水(かんすい)などにも生かせる。IoTカカシを使ったリアルなデータの集積を願う」と話す。

 ファーモは「スマート農業は農業の品質生産向上だけではなく、日本のさまざまな社会課題解決につながる。これからも地域と深く関わりながら全力で取り組んでいく」としている。

 


関連記事

flash

スタートアップ

スポーツ

ビジネス

地域

政治・国際

株式会社共同通信社