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(新潟県糸魚川市 蓮華温泉)

今年は7月から営業再開 北アルプスの雄大な山々を望む野天風呂が圧巻 「蓮華温泉 白馬岳蓮華温泉ロッジ」 【コラム:おんせん! オンセン! 温泉!】

 

 7月に入りましたが、梅雨真っただ中といった天候ですね。暑くてジメジメとした不快な季節の到来です。日本全国には、約3000カ所の温泉があり、山沿いのエリアにも多くの温泉が湧いています。標高の高い温泉の中には、厳しい自然環境のため、冬季休業するところもちらほら。その分、営業している期間は、高原の素晴らしい大自然を堪能することができ、温泉と絶景の織りなす「非日常」を体感できることでしょう。しかも、涼しくて避暑には最適です。

 今回は、長い冬休みを終え、ついに7月6日から今期の営業を再開する「蓮華温泉 白馬岳蓮華温泉ロッジ」をご紹介します。

蓮華温泉周辺の眺望

 

 「蓮華温泉」が湧くのは、長野、新潟、富山、岐阜にまたがる中部山岳国立公園内の、標高1475メートルの高原地帯。現在は、「白馬岳蓮華温泉ロッジ」が一軒あるのみの温泉地です。住所は新潟県糸魚川市で、白馬岳や朝日岳など、北アルプスへの玄関口となる山小屋です。この辺りは元々上杉謙信の領土で、鉱山発掘の際に温泉を見つけたといわれています。信玄の隠し湯ならぬ、「謙信の隠し湯」ですね。


「白馬岳蓮華温泉ロッジ」の外観

 

 山小屋は、例年10月中旬から3月中旬まで冬季の休業に入りますが、今年は春の営業はなく、7月から再開します。この期間は蓮華温泉までの道路が開通しているため、自家用車やバスで、アクセスすることができます。北陸新幹線が停車する「糸魚川駅」から、車で90分ほど山道を走ると到着します(春の営業がある場合は、車で訪れることはできず、近隣の「栂池スキー場」から山スキーで訪れることになります)。

 建物は、木のぬくもりを感じられるシンプルで素朴な外観で、高原の景色に溶け込むようにたたずんでいます。館内は、全29室で最大収容人数150人と、広々としたつくり。決して新しくはありませんが、いつも掃除が行き届き、気持ちよく過ごすごとができます。

「仙気の湯」の全景

 

 温泉は、館内にある男女別の内湯と、山小屋から5~15分ほど山登りをしたところに点在する「野天風呂(混浴)」4カ所の、合計5カ所。野天風呂は、それぞれ「三国一の湯」「仙気(せんき)の湯」「薬師湯」「黄金湯」と名付けられ、源泉もロケーションも異なります。もちろん、すべて「源泉掛け流し」で楽しむことができます。その中でも蓮華温泉のハイライトといえるのは、野天風呂の「仙気の湯」と「薬師湯」です。

 「仙気の湯」は、山小屋から歩くこと約10分。高い木々の生い茂る森から、パッと視界の開けた草地に景色が変わった先にあります。5、6人ほど入れそうな広々とした湯船の野天風呂。目の前には、北アルプスを望む絶景が広がっています。

 泉質は、単純硫黄温泉(硫化水素型)。少し熱めのお湯は、薄く濁って見えます。このお風呂に身を浸しながら絶景を眺めていると、「仙気の湯」の名の通り、「仙人気分」を味わえるような気がしますね(元々は下腹部の痛み「疝気(せんき)」に効くため「仙気の湯」と名付けられたそうです)。

「薬師湯」の全景

 

 野天風呂の中で、一番の高台にあるのが「薬師湯」。「仙気の湯」から、さらに5分ほど山登りをすると到着します。単純硫黄温泉のお湯は、美しいエメラルドグリーンの湯色。フワッと硫黄が香り、酸性のお湯は舐(な)めるとレモンのような酸味を感じます。目の前に広がる雄大な山々の景色は圧巻。まるで天空にいるかのような抜群の開放感は、日々の疲れや悩みがスーッと解き放たれるリフレッシュの極致でした。4カ所の野天風呂はすべて混浴ですが、こちらは「女性優先」。湯船から少し離れたとところにある、「女性入浴中」の表示板を掛けることで、入浴中は女性専用にすることができます。混浴に抵抗のある女性の方も、安心して楽しむことができますね。

宿泊した日の夕食
トンカツと味噌の相性が抜群

 

 温泉を巡った後は空腹になるものです。温泉旅は、食べることも醍醐味の一ひとつ。蓮華温泉では、地元の食材や山の幸をふんだんに使った食事を楽しむことができます。

 この日の夕食は、フキノトウ味噌(みそ)をのせたトンカツ、オオヨモギの天ぷら、糸魚川産シカ肉のロースト、近くで採れたフキ、ネマガリタケなどの煮物、糸魚川産コシヒカリのご飯などのメニューが食卓を彩ります。見た目に派手さはありませんが、食材の味を生かしたメニューに舌鼓。そして、湯上り後の山で飲むビールは、なんでこんなにおいしいのでしょうね。

 

夜明け直前の「仙気の湯」
晴れていれば、夜は満天の星を見ながら湯浴みを楽しめます

 

 春は雪景色、夏は豊かな緑、秋は紅葉と、それぞれの季節でさまざまな景色を味わえる蓮華温泉。日没後、懐中電灯片手に野天風呂に行けば、満天の星を眺めながらの湯浴みを楽しむこともできます。

 冬季休業せざるを得ないほどの厳しい自然環境は、その分、雄大な大自然の絶景を見せてくれます。そんな中で入る温泉は、別格の開放感。文明から一線を画したような「非日常」の中で時間を過ごし、極上の癒やしを得ることができるでしょう。

 

【蓮華温泉 白馬岳蓮華温泉ロッジ】

住所 新潟県糸魚川市大所991

電話番号 090-2524-7237(衛星電話)

【泉質】

単純硫黄温泉[硫化水素型](低張性 弱酸性 高温泉)など/泉温79度など/pH:3.0など/湧出状況:不明/湧出量:毎分7.8リットルなど/加水:あり、なし/加温:なし/循環:なし/消毒:なし ◆掛け流し

【筆者略歴】

小松 歩(こまつ あゆむ) 東京生まれ。温泉ソムリエ(マスター★)、温泉入浴指導員、温泉観光実践士。交通事故の後遺症のリハビリで湯治を体験し、温泉に目覚める(知床での車中、ヒグマに衝突し頚椎骨折)。現在、総入湯数は2,500以上。好きな温泉は草津温泉、古遠部温泉(青森県)。

 


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