包括連携協定を結んでいる大正大学(学長・神達知純)と公益財団法人日本離島センター(理事長・野口市太郎)は、全国の離島の高校生たちがオンラインで集う「アイランダー高校生サミット」を12月9、10日に開催した。
大正大学の社会共生学部公共政策学科・首藤正治教授はサミットのオープニングで「多くのサポートがあって、実行委員を中心に運営してきた。全国的な交流をしていこうという意図でこのイベントを発展させていきたい。やりがいを持って深い学びへつなげてほしい」とあいさつした。
今回のサミットのテーマは「思い合って、高め合って、日常に続いていく」と設定。全国10の道都県の離島から17の高校延べ51人が参加し、2日間にかけて島の魅力や悩みを共有しながらオンラインで活発な議論を展開した。
高校生たちはグループに分かれて「どきどき!離島満喫ライフゲームづくり!!」、「わくわく!魅力や課題で新プロジェクト!!」、「うずうず!みんなの島に遊びにいこうや!!」の三つの課題から一つを選んで、島の課題などを話し合い、成果を発表した。
▼「離島体験すごろく」を作成
あるグループは、離島の日常生活を表現した、「離島の生活を体験できるすごろく」を作成した。「近隣の人から魚をもらった 2マス進む」や「頼んだ荷物より高い送料 1回休み」などの離島ならではのイベントや、〝島あるある〟で構成されており、島に住む人なら誰もが共感できる内容となっている。ほかの参加者からは「面白そう」「商品化してほしい」などの声があがった。
また、別のグループは離島の人口が著しく減少しているという点に着目した。島の魅力を再発見し、それを島外に発信していくことが重要だと考え、その課題を解決するための方法を提案した。島出身で、現在、島外に住んでいる人から「島を離れてみて感じた魅力」などを集め、それらのエピソードを「私たちの愛LAND~離れて気づいた島の魅力~」という冊子にまとめ、島に住む人たちにも配りたいというアイデアを出した。エピソードの取材の仕方や、冊子作成の予算を集める方法など具体的な意見が飛び交った。
サミットのプログラム作成や全般的な企画・運営は、離島の高校生6人と、離島の高校出身の大正大学地域創生学部の4年生3人による計9人の実行委員が担当した。
実行委員長を務めた菊地琉生さん(大正大学4年)は「実行委員会のメンバーで4月から準備をはじめ、夜遅くまで会議をしてこともあった。このサミットがうまくいったのも、このメンバーが頑張ってくれたおかげです」と感謝の言葉を述べた。
▼「来年にバトンを渡してほしい」
昨年のサミットにも参加し、今回は実行委員として運営を担った本郷夢果さん(北海道奥尻高校)は「(話し合いを)まとめる側として参加して、今回、みんなの手伝いをできたことがとてもうれしいです」と笑顔で語った。
サミットのクロージングで、 日本離島センターの小島愛之助専務理事は 「参加者の皆さんの盛り上がりに驚いた。今回、参加して皆さんが感じたことをまわりの友達や下級生たちに伝え、来年にバトンを渡していってほしい」と述べ 、次回に向けて、参加した高校生たちに呼びかけた。
「アイランダー高校生サミット」は来年も開催する予定。
▼参加高校一覧
北海道礼文高校
北海道奥尻高校◎
東京都立大島高校
東京都立八丈高校
神奈川県立横浜国際高校
新潟県立佐渡高校
広島県立広島叡智学園高校
広島県立大崎海星高校◎
島根県立隠岐島前高校◎
愛媛県立松山北高校中島分校
長崎県立壱岐高校
長崎県立五島海陽高校
長崎県立奈留高校
屋久島おおぞら高校
沖縄県立泊高校◎
沖縄県立八重山高校◎
沖縄県立宮古高校
※◎は実行委員のいる高校