東進ハイスクールなどを運営するナガセ(東京都武蔵野市)は、同社の「東進海外大学留学支援制度」を活用して英国ケンブリッジ大に留学中の同大修士1年遠藤宏哲さんがこのほど、日本人で初めて「アダム・スミス賞」を受賞した、と発表した。
同賞は経済学部の学年末試験と卒業論文を合わせた総合1位の学生を称えるもので、英国の有名な経済学者ジョン・メイナード・ケインズ(1883~1946)も過去に受賞した歴史ある賞だという。
遠藤さんは麻布高校(東京都)卒。高校3年時に東進海外留学支援制度の留学支援生となり、2020年ケンブリッジ大に入学。経済学を専攻し、卒業論文のテーマは「パンデミック下の感染者数と経済損失のトレードオフを改善する方法について」。今回の受賞について「このような栄誉ある賞をいただき光栄に思います。私の関心は動学的一般均衡モデルを用いたマクロ経済分析です。現実と密接に関連したモデル研究・分析を通じて社会の厚生を高め、日本・世界経済の安定に貢献したい」とコメントした。
東進の海外大学留学支援制度は、「日本全国の未来のリーダー候補である高校生」の海外大学進学を支援するもので、世界を舞台に活躍する人材の育成が目的。進学を支援する大学はケンブリッジ大のほか、ハーバード大、プリンストン大、イェール大、スタンフォード大、マサチューセッツ工科大、カリフォルニア工科大、オックスフォード大。
支援対象人数は各学年最大10人。選抜は全国統一高校生テスト決勝大会の成績と人物評価面接で行う。返済不要の支給額(2023年9月30日時点の為替レート換算)は米国への留学は1人当たり4年間で計約5700万円、英国への留学は1人当たり4年間で約4700万円。これまでに留学した8人に支給している。