総合家具メーカーの日進木工(岐阜県高山市)はこのほど、飛騨の家具職人の技術を駆使したウイスキー用オークたる「HIDA BARREL(ヒダバレル)」を開発し、販売を始めた。
1300年以上受け継がれてきた「飛騨の匠」とたたえられる家具職人たちの技術をたる制作に生かし、独自工法で「家具のような繊細で優美なデザイン」のヒダバレルを開発した。通常の製法ではふたの間の隙間を埋める工程が生じるが、このヒダバレルは隙間を埋めなくてもふたをぴったり閉じることができるという。
使用材は国産ナラ材やアメリカンオーク材。容量は220リットル。予定販売価格は20万円程度(国産材使用の場合は5万円程度の増額を想定)。月の生産数は15個。納期は最大45日程度。
ヒダバレルの第1号は、岐阜県高山市に今春開設された岐阜県初のウイスキー専門の「飛騨高山蒸溜所」に納品された。この初納入品のヒダバレルの材料には飛騨高山産のナラ材などを使ったという。
ヒダバレルのロゴデザインは、「東京オリンピック2020大会」の公式エンブレムデザイナー野老朝雄氏が手がけた。木を曲げる時や削る時などに使う家具作りの“治具”を表現したデザインで「ヒダバレルも、飛騨家具と同じく何十年も生き続けるようにと願いを込めた」という。
ヒダバレルの公式ホームページで制作風景を撮影した動画を公開している。