公益社団法人日本パブリックリレーションズ協会(東京都港区)は、一般企業を対象に、「パブリックリレーションズ(広報・PR)業務と人材育成に関する調査」を実施し、広報業務をより高度なプロフェッショナル職として位置づける必要があると多くの企業が考えていることが分かった。調査は1月23日~2月8日、同協会に企業会員登録している613人と非会員企業996社の計1609件を対象にインターネットで行い、192件から回答を得た。回収率は11.9%だった。
まず、独立して広報・PR業務を担当する部署があり、広報専任担当者がいると答えた企業は全体の70.3%だったが、2000年以降に設立した企業では51.4%にとどまった。
広報部署で取り扱っている業務は、他部署と連携して行っている業務まで含めると、複数回答で「メディアリレーションズ」(91.1%)、「危機管理広報」(85.4%)、「経営戦略/コーポレート・コミュニケーション」(78.6%)、「ブランド・コミュニケーション」(77.1%)などが上位を占めた。一方、「IR」と「マーケティング・コミュニケーション」は、「会社で扱っていない」を含めると、広報部署の業務範囲から半数以上はずれていることが明らかになった。
広報・PR・コミュニケーション担当者の育成やスキル向上については、「プロフェッショナルは育成すべきである」と回答した企業は78.6%で、「社内にこの分野のプロフェッショナルは必要ない」と答えたのはわずか1.6%だった。育成方法については「ベテラン・経験者・先輩からの伝授・引き継ぎ」が92.2%と最も多かった。