企業で働く人の健康管理を受託しているドクタートラスト(東京都渋谷区)は、同社のストレスチェックを受けた働く人の「睡眠と仕事」についての関係性を調べたところ、「よく眠れている人は『仕事の満足度』が圧倒的に高いと判明した」などとする分析結果を公表した。
ドクタートラスト・ストレスチェック実施サービスの2021年度契約企業・団体の一部(940社・団体)で、受検した約32万5000人のデータを分析。同社で産業保健業務に携わる精神保健福祉士の八島菜緒氏が、22年11月に開催された第19回日本ヘルスプロモーション学会・第11回日本産業看護学会合同学術集会で「ストレスチェック全国データからの考察 従業員の睡眠改善に企業ができること」と題して発表した。
調査は、ストレスチェックで聞く睡眠に関する項目について「睡眠と個人・組織パフォーマンスの関係性」を詳細に分析、数値化した。その結果「よく眠れない人の6割強は『仕事に満足していない』、よく眠れている人は約8割が『仕事に満足している』」ということが分かったという。
さらに「よく眠れない人の7割近くは『気分が晴れない』、よく眠れている人で『気分が晴れない』と感じているのはわずか1割にとどまる」、「よく眠れない人で『物事に集中できる』のは半数程度にとどまる、よく眠れている人は9割以上が『物事に集中できる』と感じている」ということも明らかになったとしている。
こうした結果を受け、ドクタートラストは「従業員の睡眠を十分に管理することで、心身の不調を未然に防ぐことができ、良質な睡眠が生産性の向上につながる」と指摘。「残業時間の管理を徹底し、睡眠時間確保に留意することなど、組織としても対策を講じることが従業員の睡眠改善に有効だ」と強調している。