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6月20日に発売するサントリーのノンアルコールビール「あしたを想うオールフリー」

“記憶力”に着目した高機能系ノンアルコールビール サントリー「あしたを想うオールフリー」新投入

 コロナ禍で健康意識が高まり、飲めない人だけでなく飲める人にとっても「休肝日」などのためにノンアルコール飲料の需要が拡大している。味もアルコール入りに近くなり、お酒を飲んでいるように雰囲気を楽しむことができるようになった。サントリー(東京)は6月6日、「ノンアルコール飲料」戦略に関するオンライン説明会を開催。新たなノンアルコールビールなどの新商品戦略を打ち出した。

 ▽高機能系が拡大

 サントリーは、ノンアルコール飲料を「0.00%のお酒」と位置付け、ビールのほか、ハイボール、ワインといったジャンルにもノンアル商品を展開している。同社によると、2022年のノンアル飲料の購入者が2019年に比べ20%増加。特に主流のビールテイストでは、健康機能をうたった高機能系の市場が約2.2倍に拡大したと推定している。

「ノンアルはおいしくないというイメージを払拭する『圧倒的美味』を目指した」と自信をみせる林正人・取締役常務執行役員戦略本部長

 説明会で登壇した林正人・取締役常務執行役員戦略本部長は、新たな戦略として「高機能系のビールテイストの新投入、限定発売だったハイボールの通年化、夏のロゼワイン限定発売でラインアップを拡充する」とする方針を示した。

 6月20日に発売するノンアルコールビール「あしたを想(おも)うオールフリー」は、2019年に発売した「内臓脂肪を減らす からだを想うオールフリー」に次ぐ高機能系(機能性表示食品)の「第2弾」。ビールカンパニーの梅原武士ブランド戦略部長は、「ノンアル飲料のニーズの中で『健康機能』が注目される中、目の前の健康課題ではなく、将来を見据えた健康への意識が高まっている」と開発の背景を説明した。

ビールカンパニーの梅原武士ブランド戦略部長。「健康について聞いたら、記憶力の低下や物忘れという数値で見えない悩みを訴える人が多かった」

 ▽GABAを含有

 第2弾のポイントは「記憶力」だ。アミノ酸の一種、GABA(ギャバ)を成分として採用したのが特徴で、サントリーによると「GABAには加齢によって低下する認知機能の一部である記憶力(言葉や見たものを思い出す力)を高めるのに役立つ機能があることが報告されている」という。販売ターゲットは「記憶力に不安がある」「酒量が少し気になり始めた」という40代以降のビール好き男女だという。

 「あしたを想うオールフリー」は、350ミリリットル缶で、100ミリグラムのGABAを含有しているといい、梅原部長は「350ミリリットル缶を1日1本、12週間継続して飲むと効果があると考えている」と話した。

GABA含有のノンアルコールビールは日本初だという

 ▽ハイボール、ワインも

 サントリーはこのほか、「のんある晩酌ハイボール ノンアルコール」の缶デザインなどをリニューアルし6月27日から通年販売とするほか、「ノンアルでワインの休日(夏のロゼ)辛口」を7月18日から限定販売する。

 林戦略本部長は「コロナ禍の在宅業務がなくなり、居酒屋など業務用が回復する一方、家庭用は少し減少傾向が見られる。まだまだノンアルのニーズはあると思うので新ラインアップで掘り起こしたい」と期待を込めた。

ラインアップが拡充されるサントリーのノンアルコール飲料

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