衣料品在庫の焼却処分ゼロなどに取り組むアダストリア(東京都渋谷区)はこのほど、ヤマト運輸(東京都中央区)と、ロジスティクスパートナーシップ協定を締結した。衣服の生産・ 流通・廃棄などに伴い発生する温室効果ガスを削減する「サステナブルファッション」を両社で目指していくという。
国内外の衣服の生産・流通・廃棄プロセスを協力して可視化・最適化し、温室効果ガスの削減を図る。ファッション産業は、商品企画やデザイン、原材料の調達、商品の生産、流通、販売などで複数の国、さまざまな関係者が関わる産業。このため活動に伴う排出温室効果ガスを削減するには、産業の全過程を可視化して、物流や在庫管理、廃棄過程などの最適化が課題だった。
アダストリアは、衣料品在庫の焼却処分ゼロを目指し、最適な在庫管理や衣服の再利用などに取り組んでいる。ヤマト運輸は、国内外の配送ネットワークを活用し、顧客の在庫管理の最適化などを支援している。アダストリアの木村治社長は「ファッション業界をとりまく社会課題の解決は、関係企業や地域社会、お客さまと共に継続的に取り組んでいくことが重要。適時適量の在庫管理や共同配送の仕組みづくり、環境負荷の把握に必要なルールの整備など、業界全体で共に成長できる土壌をつくり、サステナブルファッションの実現を目指す」とコメント。ヤマト運輸の恵谷洋専務執行役員も「今回のパートナーシップ協定は、サステナブルファッションの実現に向けた重要な一歩。ファッション産業の持続的な発展と国連が掲げる持続可能な開発目標(SDGs)の実現に貢献できることは大変光栄」としている。