ゲーム開発のKLab(東京都港区)と九州大学情報基盤研究開発センター附属汎オミクス計測・計算科学センター(福岡県春日市)はこのほど、共同研究中の「機械学習(AI)を用いたリズムアクションゲームの譜面制作支援システム」を高度化する新技術の共著論文が、人工知能分野の国際学会「AAAI-23」で採択されたと明らかにした。論文は2023年2月にワシントンDCで開催される学会で発表されるという。
論文で提案した深層生成モデルの「GenéLive!」は、音の立ち上がり、拍や小節など、さまざまな時間スケールの音声パターンを抽出できる。この技術により、似たフレーズの繰り返しに対しては似た譜面パターンを繰り返したり、Bメロからサビに切り替わるところで譜面パターンを変えたりするといった、楽曲の特徴を捉えた譜面の生成が可能だとしている。
またKLabが実際に「GenéLive!」を導入した譜面制作支援ツールを使用したところ、譜面制作に要する時間は半分になり、1カ月の配信楽曲数を倍増させることができたという。九州大は「音楽AIはまだまだ発展途上であり、この技術を元にして、ゲーム音楽業界全体の経済活動を促進できたら幸いです」とコメントしている。