サントリーフラワーズ(東京都)は12月14日、滋賀県東近江市に竣工した新拠点「サントリーフラワーズ イノベーションフィールド」の地鎮祭を行い、施設について説明した。
同社はサントリーの花事業部が分社独立、02年7月に設立した。
代表取締役社長の鎭守泰蔵氏は花事業について、「もともと30年ぐらい前は、バラだとかキクだとか、モノの名前だけで花のブランドというものが全くなかった。われわれはお酒を通じていろんなマーケティングをやってきたので、花にもブランドをと考えた」。
同施設で生産される赤いプリンセチアは主力商品の一つ。「ポインセチアとはちょっと見た目が違う、かわいらしい感じのことをプリンセスのようなということで“プリンセチア”と名付けた」とブランド名に込めた意味を説明した。
花から始まり、家庭菜園用の野菜の苗の出荷も始めた。現在は、野菜そのものもスーパーやコンビニの店頭で販売している。
「花も野菜も生活を豊かにするもの。この東近江をしっかり出て、世界中のお客様に伝わることに誇りを持って展開させる」。
約36,000平方㍍の敷地面積には、温室や圃場が並ぶ。
拠点のコンセプトについて解説した常務取締役の四方康範氏は、新価値創造について、「新品種の開発をしていく。さらに農業に関わる生産技術の開発を並行する」とし、AI挿し木ロボットやLED栽培について紹介した。農地のサイネージにはIOT技術を搭載し、温度などの環境をコントロールできるとした。
サステナビリティー経営も、もう一つのコンセプトだ。グリーンハウスガスの排出量をゼロにする「ゼロエミッション」の設計でできており、非化石由来認証電力や太陽光パネルを利用するとした。さらに、「サントリーの“水と生きる”のコンセプト」に従い、植物にやって下に垂れた水を回収して殺菌、再利用するエブ・フロー方式を取り入れるとした。
同施設で商品開発・生産された商品は、日本をはじめ世界約30カ国に出荷される。