子どもの「豊かな心」育む庭造りを 積水ハウスが「5本の樹」計画を推進

積水ハウス 「黄色い花が満開のミモザ」

 

 積水ハウス(大阪市)は、自宅の庭に地域の在来樹種を植栽し、地域の緑と自宅の緑をつなげて緑のネットワークをつくり、自然や生きものと共生しながら命を育む庭づくり「5本の樹」計画を推進している。「3本は鳥のため、2本は蝶のために、日本の在来樹種を」という思いを込め、日本の気候風土に合わせた地域区分を設け、それぞれに適した樹木を植えようと提唱。その土地ならではの美しさや香り、実をもつ樹木を植えることでさまざまな生きものに多くの恵みをもたらすことができ、やがてわが家の庭そのものが地域の生態系の一員として豊かな環境づくりに寄与する存在となる、という。

 家庭・ベランダ菜園の栽培植物や住宅街の街路樹、各戸の庭の緑から、ちょっとした「自然の豊かさ」を感じることはできる。植物や木々は、昆虫や鳥などの生物と触れ合う機会も作り出す。積水ハウスは子どもの「豊かな心」を育む観点から、自然の豊かさが感じられ、生物とも触れ合う機会がある家造り、庭造りの重要性を指摘する。

 同社が1例に挙げるのが、福岡県の夫妻・子ども2人の4人家族のケース。コロナ禍で「おうち時間」が長くなったことをきっかけに「緑あふれる庭付きの家がいい」と考えて家探しを開始。売り出し中の土地を見つけ2020年に購入した。夫妻はもともと山登りやキャンプ好きのアウトドア派。新居は、設計担当者と樹木の農場に足を運び、一緒に樹木を選ぶなど積極的に庭造りに取り組み、子どもが望んだ池も造った。

 庭にはイロハモミジやナツハゼ、ソヨゴ、ヤマブキ、サツキ、アジサイな30種類以上の樹木を植えた。ジョウビタキなどの野鳥のほか、花の蜜を吸いにクロアゲハやモンキチョウなどの蝶類がやってくる。池には在来種のクロメダカ10匹を放ち、外敵や強い日差しからメダカを守るウォータークローバーも周囲に植えた。メダカは卵を産み、20匹以上に増えた、という。夫妻は「生きものに触れ、自然と共存しながら命の大切さを学んで欲しい。さまざまな環境で、色んな景色を見て、どう感じるかは子どもたちの感性に任せている。自分たち二人が大好きな自然の中で生きものと一緒に暮らすことが、子どもたちの豊かな心を育てる“情操教育”になれば」と話す。

 積水ハウスは「みなさんも季節の美しさを身近に感じ、自然と語り合う庭づくりを『5本の樹』ではじめてみませんか」と呼びかけている。

 

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