矢野経済研究所がハラル国際会議で講演 インドネシアで日本企業への認証情報の必要性強調

矢野経済研究所の神部氏(左から2人目)は、ムスリム人口の少ない日本におけるハラルの取り組みなどについて講演した(矢野経済研究所提供)

 

 食品分野を中心にイスラム教の戒律に従う「ハラル」が注目されている。日本企業向けにハラル研修を実施している矢野経済研究所(東京都中野区)は、インドネシアのイスラム教聖職者組織、インドネシア・ウラマ評議会(MUI)が6月14~18日にバンカベリトゥン州で開催した「国際ハラル会議」に日本で唯一招待され、イスラム教徒(ムスリム)人口の少ない日本におけるハラルの取り組みなどについて講演した。

 会議はハラルや、イスラム圏からの観光客誘致を図る「ハラルツーリズム」に関する課題を議論。矢野経済研究所は15日、水越孝(みずこし・たかし)社長がオンラインであいさつした後、ハラル関連事業を担当する神部綾(かんべ・あや)主任研究員が会場で講演した。

▽コロナ下でもムスリム人口増加

神部氏は、日本が海外からの入国制限を強化した新型コロナウイルス下でも、日本に住むムスリム人口の数は少しずつ増えていたと指摘。日本ではイスラム諸国で構成する国際機構「イスラム協力機構(OIC)」に加盟する 57カ国の出身者のうち、インドネシア人が14 万 6000人(2021年時点)で全体の44%を占めることを説明した。その上で、日本政府が6月から外国人観光客の受け入れを大幅に緩和することに伴い、「日本訪問者や居住者のムスリム人口は今後も増えていくだろう」との見方を示した。

 神部氏は、コロナ下でもハラルに限定せずにムスリムに優しい「ムスリムフレンドリー」な食品を提供する飲食店や、ムスリムのための祈祷(きとう)室を設ける施設など、ムスリムを受け入れる環境を整備する企業や自治体が少しずつ増えていることを紹介。一例として、飲食店の情報サイトを開設したり、ハラルに関するアドバイザーを配置したりしている静岡県の取り組みを紹介した。

▽必要なハラル認証情報

 神部氏はさらに、日本企業がインバウンド(訪日客)だけでなく、世界人口の4分の1を占めるムスリムを対象にイスラム圏に向けて商品やサービスの市場拡大を図るために、今後ハラル認証の取得への関心が高まるのは確実だと指摘。今後はハラル認証や明確な基準に関する情報がますます必要とされるとの認識を示した。

 矢野経済研究所は、MUI公認のハラル研修など日本企業がハラル認証を取得・更新する際の支援サービスを提供しており、その経験と知見を生かして、日本企業とMUIの橋渡し役になるべく、情報を提供していきたいと強調した。

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