
放射線医薬品メーカーの日本メジフィジックス(東京都江東区)はこのほど、新たながん治療法「標的α(アルファ)線治療」に必要な原料アクチニウム225を、治験薬に必要な規模で製造することに成功した、と発表した。
2019年に33億円を投資して千葉県袖ケ浦市に建設した研究施設で、小型加速器を使い製造した。小型加速器でラジウム226原子をアクチニウム225原子にする原子核反応を利用した製造法を確立した、という。
アクチニウム225は自然界に存在しない放射性核種。がん細胞を攻撃するアルファ線を放出する。新たながん治療法の一つである標的アルファ線治療の治療薬に必要な原料とされ、世界で製造が活発になっているという。
日本メジフィジックスは「今後は自社の創薬拠点で臨床開発に必要な量のアクチニウム225を準備できる。標的アルファ線治療の研究開発をさらに加速させる」としている。